じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 昨日の日記で、西に沈む満月に横縞の雲がかかり木星のように見えていた写真を掲載した【右に再掲】。
 この日の夕方にも東の空に薄い雲がかかっており、月の出の際に横縞のかかった木星型の月が昇ってくるのが見えた。この月が今年の中秋の名月となる。


2021年9月22日(水)



【連載】#チコちゃんに叱られる!「唇が赤い理由」「トランプが52枚の理由」「御飯を入れるのになぜ茶碗」

 9月18日(土)に初回放送された、NHK「チコちゃんに叱られる!』の感想と考察。今回は、
  1. なんでくちびるって赤いの?
  2. なんでトランプは52枚?
  3. なんでごはんを入れる器をお茶わんっていうの?
という3つの疑問が取り上げられた。

 まず1.の唇が赤い理由については、番組では「お猿のお尻が赤かったから」と説明された。人間以外の類人猿では発情期にお尻が赤くなるが、二足歩行に進化した人間では視線の高さがお尻とは一致しない。そこで視線と同じ高さの唇が性的アピールを代行するようになった、というような説明であったが、なんだかイマイチ根拠に乏しい胡散臭い内容であった。
 ま、進化がどうだと言っても、通常は骨しか残っておらず唇の色の変化を捉えることは難しい。あくまで想像に基づく解釈であろう。なお、このほか「母親のお乳を吸う役割があり、お乳を吸いやすいように表面がとても薄く柔らかく進化し、結果的に血液が透けて見えて赤くなった」というような別の説も紹介したが、であるなら他の霊長類でも同じように唇が赤くなるはずである。
 なお、番組では、赤系の口紅が魅力を引き立たせる効果についても言及されていたが、私は個人的には口紅をつけるお化粧からはあまり良い印象をうけない。




 次の2.のトランプの枚数はなかなか興味深い疑問であった。これにはいくつか俗説がある。ウィキペディアにも記されているように、
カードの4つのスートは四季を示し、カードが52枚あるのは1年が52週であることから来ている。また、エースを1、ジャックを11、クイーンを12、キングを13として52枚の数を合計すると364になり、これにジョーカーを1として足すと365(1年の日数)になる。エキストラジョーカーは閏年(1年が366日)の為。
というのは明確な証拠が無い。また番組によれば、「ジャックが11、クイーンが12、キングが13」というのは子どもたちが覚えやすいようにいつしか数字の意味を持つようになったもので、もともとは強さを表すだけの絵札であったという。このほか、赤のスーツは昼、黒のスーツは夜を表すといった説もあるが、これも俗説であり、もともとはいろいろな色で描かれており、インク代の節約のために赤と黒だけになったらしい。結局、番組での結論は「わからない」となった。

 ここからは私の考察になるが、トランプが現在13×4=52枚で流通しているのは、いろいろなゲームをする上で最も遊びやすい数になっているからと思われる。枚数が影響するゲームとしては例えば七並べがあるが、これはいくつかのオプショナルルールを設けるととても頭脳的で興味深いゲームとなるが、「7」の両端に6枚ずつのカードを並べるというのが最適の枚数であるように思える。ポーカーの場合も、13×4=52枚というのが、ポーカーハンドのそれぞれの役が成立する確率として都合の良い枚数であった可能性がある。




 最後の3.については「焼き物の器はどんなものでも「お茶わん」と呼ばれていたから」と説明された。実際、国語辞典を見ると「茶碗:茶をついだり 飯を盛ったり する陶磁器製の容器」と定義されていた。ちなみに「茶碗」のほかに「お椀」という言い方があるが、こちらのほうは「食べ物を盛る、木や瀬戸物や金属の入れ物」と定義されている。殆ど似たような定義だが、木製のお椀は、「椀」という感じがきへんで構成されているように、茶碗とは呼ばないように思う。番組では御飯をいれる漆塗りのおわんが紹介されていたが、これを御飯茶碗とは呼ばないように思う。

 なお「茶碗」は中国語では「茶盞」、英語では「Chawan」、ロシア語では「Тяван」と呼ばれるようだが、英語とロシア語の発音は、中国語ではなく日本語の「ちゃわん」に近い発音のように思える。