じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 半田山植物園ではハクモクレンに続いてコブシの花が開花した。逆光のためフラッシュ撮影を試みたが、高い枝に咲いているため、一部の花だけしか写らなかった。
 なお3月11日、裏山ではウグイスの初鳴きを確認。

2021年3月12日(金)




【連載】又吉直樹のヘウレーカ!#103「クモの糸にはかなわない!?」その1

 3月3日に初回放送された、「又吉直樹のヘウレーカ!」:

#103「クモの糸にはかなわない!?」

を録画・再生で視た。クモの習性については、子どもの頃に科学本で読んだ程度の知識しかなく、今回の番組で興味深い知見を学ぶことができた。

 番組の冒頭では、又吉さんが記憶に基づいて蜘蛛の巣を描画。しかし、その絵には、ホンモノと異なる点がいくつかあった。
 まずそもそも「クモの巣」ではなく「クモの網」と呼ぶべきである点が指摘された。「巣」というのは生き物が棲んでいるところを意味するが、クモの網の場合は、餌を獲る役割があるので「巣」とは呼ばないらしい。
 また、クモの網は、同心円状に横糸が張られているように思いがちだが、よく観察すると螺旋状の一筆書きになっている。ま、クモは口から糸を出して網を張るので、同心円を重ねた形状にはならないことが納得できる。なお、網を張るクモと張らないクモはおおむね半々だという。

 網を張るクモは殆ど目が見えていないので、手を近づけても逃げることはない。しかし、電動歯ブラシで網を振動させると、あっという間に近づいてくる。これは電動歯ブラシの振動数300回/秒が、ミツバチの羽ばたき約250回/秒に似ているため、敏感に反応したためであるようだ。

 クモは、獲物をかみ砕いて食べるのではなく、獲物の体の中に消化液を注入し、ドロドロに溶かした上で吸い上げるという「対外消化」を行う【但し小さい獲物は噛み潰すこともあるらしい】。獲物を溶かしてしまうほどの強力であるとすると、クモ自身も溶けてしまいそうな気がするが、このことについては特に説明はなかった。ま、人間でも胃酸で自分のからだが溶けることはないので、消化管のところに何らかの防護壁が備わっているのだろう【あくまで勝手な想像】。

 番組では続いて、クモに関する最もよく聞かれる謎:

●なぜクモは自分の網にひっかからない?

について解説された。スタジオでもじっさいに試されたように、クモの網の縦糸は触れてもひっつかないが、横糸のほうは強い粘着性がある。顕微鏡で観察すると、横糸には多数の粘球がついていることが分かる。このほか、クモの糸には「ぶら下がるための縦糸」、「足場の糸」、「エサを巻き上げる糸」、「タマゴを包む糸」、「横糸の軸」、「糸と糸を接着する」といった、役割の異なる糸があり使い分けられているという。

 上記の縦糸と横糸の使い分けは子どもの頃にも聞いたような気がするが、縦とか横といってもじっさいには放射状に張られているため、重力の方向だけで縦と横を決めるわけにはいかない。なので、クモが、踏み間違えることなしに縦糸だけに掴まって移動するためには何らかの仕組が必要であるように思う。私の勝手な想像だが、クモの足の先には特殊なセンサーがあって、粘球を避けるように移動を導く働きをしているのではないか、と思われるのだが、確認はできていない。

 次回に続く。