じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 生協食堂での昼食代は、通常500円〜600円となっているが、火曜日に「豚バラ茄子蒲焼丼Sサイズ」を注文したところ、単品だけで528円、小鉢2点と合わせて704円という出費になった【いずれも税込み。但し5%のポイント還元あり】。街中の丼物屋ならともかく、生協食堂でどんぶり一杯500円以上というのは少々高すぎるような気がする。大型スーパーの184円弁当なら2.5食分となり、年金生活者にとっては贅沢すぎる。次回からは、ちゃんと金額を確認したうえで注文するようにしたい。

2021年2月3日(水)




【小さな話題】2月3日23時59分の立春

 今年の立春は2月3日の23時59分である。立春が2月3日となるのが1897年以来124年ぶりであることと、立春の瞬間が日付が変わる1分前であることなどから、ネット上でもいろいろ話題になっており、また、いくつかの誤解や珍説も登場しているようである。

 まず、いちばんよく見かける誤解は、立春が旧暦の元日であるという間違い。立春は太陽暦に基づくニ十四節気の1つ、いっぽう旧暦は月齢由来なので、同じ日になるとは限らない(じっさい、2021年の旧暦元日は2月12日)。但し、ウィキペディアによれば「九星気学では立春が1年の始まりとなる。」と記されており、同じくウィキペディアには
節切りにあっては立春が年初となる。四柱推命や風水などの占いでは、節分までは前年に属し、立春をもって年が改まるとしているものが多い。節分の豆撒きは立春を年初として、新しい年の幸運を願っての昔からの習慣である。
という記述があり、太陰暦由来ではない形で立春を年初とする習慣はいくつかあるようだ。

 2021年の立春がなぜ2月3日になるのか(あるいは節分がなぜ2月2日になるのか)は、単純に、グレゴリオ暦における調整の結果であって、124年ぶりだからといって特別な意味を持つわけではない。
 要するに、もし1年が365.25日ピッタリであるならば4年に一度の閏年挿入でズレは生じないが、じっさいの1年の長さは365.242189572日であり、そのズレを調整するためにグレゴリオ暦では、「2000年は閏年だが、1700年、1800年、1900年、あるいは、2100年、2200年、2300年は閏年ではない。」というように、400年ごとに3回ずつ、閏年を挿入しない年を設定している。なので、西暦2000年を閏年としたことで、その翌年から2099年までのあいだでは、立春の日付は早いほう(2月3日)にずれていく。2100年〜2399年は逆に100年ごとに閏年が平年となるため、立春の日付は遅いほう(2月5日)にずれていく。じっさい、こちらの表にあるように、2021年以降2100年までは立秋が2月3日になる日が増えていき、2101年以降は立春が2月5日になる日が増えていることが分かる。なお、グレゴリオ暦では約3221年かけて1日分のズレが生じるので、いま述べた循環はピッタリと繰り返されていくわけではない。

 さて、今年の立春のもう1つの話題は、立春の瞬間が日付が変わる1分前の23時59分になったことである。ウィキペディアをざっと見ても、立春の瞬間がこれほどまでに午前0時(世界時で15時)に近い年は見当たらない。太陽位置略算式に基づくこよみの計算プログラムによっては最大2.5分の誤差が生じるため、これに頼って作られたカレンダーの中には、立春の日付を2月4日に取り違えたものがあるようだ【例えば、こちら】。

 ちなみに、ウィキペディアの表では、立春の瞬間が真夜中の前後10分以内の年は、「確定困難な(日を跨ぐ)年」とされているが、私が知りうる変動要因は閏秒の挿入程度であり、累積で10分どころか、60秒以上もずれることは無さそうに思われる。他にも何か不確定な要因があるのだろうか?

 ところで、立春は「太陽の黄経が315度に達した瞬間」と定義されているが、この「黄経315度」というのは、太陽と地球の位置関係(地球が公転軌道上のある一点。但し、歳差の影響により毎年ずれていく)のことを言うのか、それとも、じっさいに地球上で太陽を観察した時の太陽の見え方のことを言うのか、どちらになるのだろうか? 妙なことを言っていると思われるかもしれないが、地球は太陽から離れているため、我々が見ている太陽というのは、常に約8分17〜19秒前の太陽ということになる。であるなら「太陽の黄経が315度に達した瞬間」というのは、正しくは、「太陽の黄経が315度に達した瞬間より8分17〜19秒後の瞬間」ということになるのではないかと思うのだがどうだろうか? あくまで私の推測だが、「太陽の黄経」と言うときはもともと、見えている太陽を天動説の軸でそう表現しているだけのことであるゆえ、光の到達時間を考慮し、あくまで見えている瞬間を元に時刻を確定しているのではないかと思われる。【←皆既日食の瞬間というのも、8分17〜19秒前の太陽と、1.3秒前の月が重なる瞬間ということだろう。】

 なお、立春と同様、春分や秋分など二十四節気の日付は同様のズレがあるが、立春が2月29日より前、春分や秋分は2月29日より後になるため、閏年挿入による日付は1年違いで影響を受ける。ちなみに、春分の日はこの先3月20日となる年が増え、秋分の日は9月22日となる年が増えていく。春分や秋分に関しては、「確定困難な(日を跨ぐ)年」は私が生きている期間には無さそう。【但し、祝日としての春分の日と秋分の日は、前年の2月1日に官報に掲載されることによって正式決定される。2022年の暦要項はこちらに掲載されている。】
 いっぽう夏至に関しては、2023年の夏至が6月21日の23時58分、冬至に関しては2025年が12月21日の0時03分となっていて、少々微妙であるようだ。