じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 アルツハイマー診断用などという偽情報とともに拡散している「ラクダ発見テスト」。こちらのファクトチェックにあるように、「このテストでラクダが見つけられない人はアルツハイマーにかかりやすい」ということはないが、興味深いのは、いったんラクダを見つけると、その部分だけが浮き上がって、他の動物以上に目立って見えるようになることだ。↓の「溜席の妖精」が際立って見えるようになるのも同様の現象かと思われる

2021年1月27日(水)




【小さな話題】#大相撲一月場所 の感想と #溜席の妖精

 新型コロナウイルスの感染確認者、死者急増のなか開催が危ぶまれていた大相撲一月場所であったが、どうにかこうにか千秋楽までこぎ着けた。各種報道によれば、荒汐部屋と宮城野部屋で感染者が出たほか、場所直前に全協会員に行ったPCR検査で九重部屋と友綱部屋でも陽性者が確認され、けっきょく4部屋の力士65人が休場。さらに横綱・鶴竜が腰痛で初日から休場、大関・貴景勝、十両の美ノ海、勢が途中休場するなど、最終的には戦後最多の関取19人が休場という異例の場所であったが、出場力士の中では新たな感染は確認されず、観客のクラスターも発生しなかった模様で、とにかく無事に終わってホッとしたというのが一番の感想。
 それにしても、関取19人の休場とは大変なことだ。特に十両の土俵入りでは、東方8人、西方9人しか土俵に上がらず、土俵の周りに立った時には隙間が空きすぎてまことに寂しい風景となった。

 私自身は特定の力士のファンということではないが、優勝した大栄翔のほか、レジェンド照ノ富士、十両の宇良の活躍が特に印象に残った。ちなみに相撲協会の公式サイトには「敢闘精神あふれる力士」というページがあるが、宇良は15日のうち9回も十両トップに選ばれているというからスゴい。早く幕内に戻ってきてほしいものだ。




 さて、一月場所では、ネット上などで、「溜席の妖精」という女性のことが話題になった。このキーワードで検索すると、Yahooの検索で64万7000件、画像検索で159万件もヒットしている【1月27日朝現在】というからこれまたスゴい。私自身は12日目のあたりでSNS経由でその存在を知ったが、一度気になると、力士よりもその女性の姿ばかりが目立って見えてしまう。大栄翔の優勝インタビューの際も、大栄翔自身の顔よりも、大栄翔の右の肩越しに写っているその女性のお顔の一部のほうに視線が向いてしまった。

 まず、この女性を話題にすること自体の問題であるが、個人情報保護という観点からみて、この女性の正体を探ろうとしたり、ストーカーのようにつきまとうことは絶対に止めさせなければならないと思う。いっぽう肖像権についても保護されるべきだと思うが、大相撲の取組を撮影していて偶然に観客が写っているような場合は、ボカシを入れずにそのまま不特定多数向けに公開しても問題はなさそうに思う。じっさい、テレビの放送などでも、大相撲中継や往来を行き交う人々のお顔はそのまま放送されている。とはいえ、大相撲の観戦者といっても、溜席の妖精だけに焦点を当ててズームで撮影すれば、肖像権の侵害になるだろう【法律の専門家ではないので、このあたりのことは分からないが】。

 写真は別として、溜席の妖精のことを話題にすること自体はどうか?という問題もあるが、大相撲中継などから知り得た情報、具体的には、その女性の服装、振るまいなどについて、誹謗中傷にならない範囲でコメントすることは問題なかろうと思う。いっぽう、観客席から双眼鏡で一挙一動を観察したり、同席者がいるかどうかを監視することはストーカー行為に繋がるように思う。

 ということで、このWeb日記でも、個人情報保護に慎重に配慮したうえで感想を述べさせていただくことになる。

 そもそもなぜこの女性が注目されるようになったのか?ということだが、一番の原因は、新型コロナウイルスの感染防止対策として、観客がまばらになったことにあると思う。コロナ前のように観客がぎっしり詰まっている状態では、いくら上品な着こなしをしていても、あるいは背筋をピント伸ばして正座していても、そんなに目立つことはないだろう。【少し前に話題になったオリンピックおじさんのように目立つ格好をしていれば別だが】

 上掲の「ラクダテスト」、あるいは、グレゴリーのダルメシアン犬の絵などもそうだが、絵の中からなかなか見つけ出せない対象なのに、いったん見つけてしまうとそれだけが浮き上がるように目立ってしまうことがある。これは、視知覚が、受身的な「見える」ではなく、能動的な「見る」という行動であり、一定の枠組みをもって対象を構成的に見ているためと考えられる。いったん、溜席の妖精が気になると、土俵上の力士以上に目立って見えてしまうのもそのせいだろう。

 さて、次の三月場所は、国技館ではなく、従来通り大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)で開催される予定だというが、新型コロナウイルスの感染状況によっては、中止、無観客、あるいは国技館への変更ということもあり得るように思われる。次の国技館での開催が三月場所となるか、定例の五月場所となるのかは不明だが、溜席の妖精さんが再び、お元気な姿で溜席においでになることを期待したい。