じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



12月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る

 12月16日の夕刻、南西の空に月齢1.7の月と、大接近間近の木星と土星が見えていた。これら3天体は12月17日に3°前後まで接近する。また木星と土星の大接近は12月21日。今回ほどの接近は約400年ぶり、次回は約60年後ということなので、私にとっては人生でただ一度のチャンスとなる。


2020年12月16日(水)



【小さな話題】

最上稲荷は日蓮宗

 新型コロナの影響で、神社やお寺では初詣の感染防止対策に追われているようである。山陽新聞によれば、岡山県内の寺社でも、期間を長めにする分散参拝の呼び掛けや、祈とうの人数制限、手水(ちょうず)のひしゃくの撤去、接待の中止などさまざまな対策が実施される模様だ。

 そんななか、少し前のローカルニュースで、県内最多の参拝者が見込まれる最上稲荷(さいじょういなり)の対策が紹介されていた。興味深いのは、最上稲荷のスタッフが、宮司さんではなく、僧侶と呼ばれていたことである。
 ウィキペディアにも記されているように、最上稲荷は日蓮宗の寺であり、
...正式名称は、最上稲荷山妙教寺。所在地が岡山市高松地区であることから高松稲荷(たかまついなり)と称されることもある。本尊は久遠実成本師釈迦牟尼仏、祈祷本尊は最上位経王大菩薩(稲荷大明神)。
歴史のある寺院であるが、第二次大戦後一時日蓮宗より独立(昭和29年(1954年)7月24日)し、最上稲荷教総本山妙教寺となっていたが、平成21年(2009年)7月に日蓮宗に復帰した。
となっている。にもかかわらず、入口には大鳥居があるというところが興味深い。参拝者は、拍手(はくしゅ、かしわで)でお参りするのか、それとも、南無妙法蓮華経を唱えながら手を合わせるのだろうか。

 本地垂迹説や神仏習合の話題は、2018年6月2日の日記などで取り上げたことがあるが、日本三大稲荷(但し地方により、選ばれている寺社は異なる)の中でも、豊川稲荷は円福山 豊川閣 妙厳寺という曹洞宗のお寺になっている。このほか、赤山禅院なども、比叡山延暦寺の塔頭であるが、入口には鳥居があり、「二礼、二拍手、一礼」でお参りすることになっている。

 最上稲荷の話に戻るが、ウィキペディアによれば、このお寺の祈祷本尊は最上位経王大菩薩(稲荷大明神)であるが、最上位経とはすなわち法華経のこと。像容は右手に鎌、左肩に稲束を背負い、白狐にまたがる天女の姿をしており、稲荷神の本地とされる荼枳尼天の像容とその特徴を同じくする。
 荼枳尼天(だきにてん)を祀る日本の主な寺院には、成田山、高尾山、浅草寺、建仁寺、相国寺など各宗派に広がっているが、多くは「○○稲荷」と呼ばれている。「近世になると荼枳尼天は、伏見稲荷本願所(愛染寺)、豊川稲荷(妙厳寺)、最上稲荷(妙教寺)、王子稲荷(別当 金輪寺)のように、憑き物落としや病気平癒、開運出世の福徳神として信仰される。」と記されており、コロナ禍の中で参拝者が増えるものと予想される。