じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 昨日の日記で、梅雨明け発表の当日の夕刻、岡山では激しい雷雨に見舞われ大雨警報が発出されたと述べた。7月31日も、ちょうどウォーキング中に突然雨が降り出し、2日連続で大雨警報(この日は大雨洪水警報)が発出された。傘を持っていなかったため、半田山植物園内で30分ほど雨宿りする羽目になった。
 なお、気象関係の珍事として、今年の7月は台風が1個も発生しなかったことが伝えられている。なお、8月1日現在では、南シナ海に熱帯低気圧が1つあり、8月2日のうちに最大風速が18mになると予想されているので、この時点で「台風無発生記録」が途絶える可能性が高い。


2020年7月31日(金)



【連載】新型コロナ感染拡大と「感染7段階モデル」(3)新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの違い

 昨日の続き。

 新型コロナウイルスの感染拡大はさらに進み、7月31日の一日当たりの感染者数は全国で1580人となった【8月1日午前6時11分配信のNHK調べ】。ここ3日間では7月29日が1264人、7月30日が1301人というように、毎日「過去最多」を更新している。また死者も6人増えて1013人(クルーズ船乗客を含めると1026人)となった。

 いっぽう、ジョンズ・ホプキンス大学の日本時間8月1日午前3時のまとめによると、世界全体の感染者者は1733万4539人(前日は1710万9335人)、亡くなった人は67万4038人(前日は66万8801人)に上っている。国別の感染者数は多い順に、アメリカ、ブラジル、インド、ロシア、南アフリカとなっていて昨日と変わらないが、死者数のほうは、アメリカ、ブラジル、イギリス、メキシコ、インドとなっていて、第5位がインドが前日5位のイタリアを入れ替わった。

 最近のデータを見ると、絶対数が少ないとはいえ、日本でも感染者(陽性者数)が数が加速度的に増えていることは間違い無い。この一因が、PCR検査実施基準の変更(=当初は検査を抑制していたため、軽症や無症状の感染者がカウントされていなかった)にあることは間違いなさそうだ。当初の検査抑制は、医療崩壊を防ぎ重症者や他の病気にかかった人を守るという点で一定の成果があったが、反面、検査をすれば陽性となるはずだった人たちを隔離しなかったことによって潜在的な感染を放置し、エアコン使用などによって密閉空間が増えたこの時期に及んで一気に感染の顕在化をもたらした可能性がある。

 いずれにせよ、「日本人はなぜ感染しにくい(と言われてきた)のか?)、(これまでのところ)日本人はなぜ重症化しにくいのか?」とった疑問は、「いま、なぜ感染者数(陽性確認者数)が急増しているのか?」とセットにして解明する必要がある。




 「感染7段階モデル」の記事に戻るが、記事2ページ目では、まず、自然免疫と獲得免疫の発動が、新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスでは異なるということが説明されていた。【なお、同一と思われる記事が7月31日付けでこちらからも発信されていた。】

 記事によれば、インフルエンザウイルスには、
インフルエンザの場合は、ウイルス自体の毒性が強く、すぐに、鼻汁、咳、筋肉痛、熱と明らかな症状が出る。暴れまくるので、生体(人の体)はすぐに抗体、いわば軍隊の発動を命令し、発症後2日〜1週間で獲得免疫が立ち上がり、抗体ができてくる。よって、抗体検査を行えば、ほぼ全ケースで「陽性」となる。多くのケースにおいて生体側が獲得免疫で抑え込み、1週間〜10日の短期で治癒する。だが、抑え込みに失敗すると肺炎が広がり、死に至ることもある。
という特徴があるという。じっさい、インフルエンザに罹った時は、いちいち検査をしなくても、症状だけでそれを分かるし、他人から指示されなくても、自宅で療養するか、病院に連れて行ってもらうほかはないという状態になる。

 いっぽう、今回の新型コロナウイルスの場合は、リンク先に対比されているように、
  1. ウイルス自体の毒性は弱く、獲得免疫がすぐに反応しない。
  2. ほとんどの場合、自然免疫によりウイルスが抑え込まれて治癒する。
  3. サイトカイン・ストームによる重篤化の恐れがある。
  4. 感染期間は1ヶ月から数ヶ月と長い(インフルエンザの場合は1週間から10日程度)
といった点でインフルエンザウイルスとは大きく異なるとされていた。これらは、私が見聞きしてきた特徴と共通しており、さまざまな研究結果の事実に基づいた特徴づけであると考えられる。

 最近は若い人の感染が増えているという話を聞くが、確かに上記の特徴から言えば、若い人たちは無症状もしくは軽症でとどまることが多く、結果的に感染した状態で外出する機会が多く、潜在的な感染源になっている可能性は高い(高齢者や基礎疾患保有者は、軽症では済まないため、結果的に隔離・入院することで感染源にはなりにくい)。
 もっとも、検査数がどうあれ、入院中や療養中の人たちの数は7月30日時点では8062人と過去最多になっているという。また、「日本人は重症化しにくい」と言われつつも、データの見方によっては、日本の致死率は約3.9%で、世界平均約4.2%【中国で約5.4%、韓国で約2.2%、台湾で約1.5%】とそれほど変わらないという記事もある。

 次回に続く。