じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 新型コロナウイルスの感染再拡大が心配されているところであるが、半田山植物園のウマノスズクサでもコロナ型イモムシ(ジャコウアゲハの幼虫)が繁殖している。ざっと数えたところ40〜50匹。すべて蝶になって植物園内を舞えば壮観であるが、食べ物が少なくなると共食いも起こるという。


2020年7月15日(水)



【連載】「タモリ×山中伸弥 人体 VS ウイルス〜驚異の免疫ネットワーク〜」(その4)

 昨日に続いて、7月4日に放送された

●NHKスペシャル「タモリ×山中伸弥 人体 VS ウイルス〜驚異の免疫ネットワーク〜」

の感想と考察。

 番組では続いて、ウイルスが進化の原動力になるという話題が取り上げられた。具体的には、
  • ウイルスの遺伝子がDNAに組み込まれて受け継がれている。DNAの8%はウイルスから貰ったもの。
  • 受精の際に精子が卵子に入り込む際に精子は特別なカギを使っているが、このしくみはウイルス起源の可能性が高い。
  • 胎盤形成に大切な遺伝子は確実にウイルス由来。
  • 長期記憶に大切な遺伝子はウイルス由来。
  • 最新の研究では、健常な人の体にたくさんのウイルスが共存している可能性。
などが紹介された。このうち「善玉ウイルス」の可能性については6月18日の日記:

こころの時代「敵対と共生のはざまで」(3)「共生」という発想

でも取り上げたことがあった。

 ここからは少し本題から外れる。生物は自らの遺伝子の変異と生息環境との相互作用の中で進化していくが、その進化のスピードは偶然的な変異の確率だけでは説明できないほどに速いという話を聞いたことがある。科学が進歩する中で、いまさら、すべての種は神が創造したとかたくなに信じ続ける人たちは殆どいないと思うが、これに代わって、一部のカルト宗教では、進化論の基本は認めた上で、偶然的な変異の確率では進化のスピードの速さを説明できないことに神の関与を証拠づけようとしている向きがある。しかし、比較的変異しやすいというウイルスがDNAに組み込まれて生物自体の変異を促進するということが明らかになれば、この部分からも「神様の関与」は追い出されていくことになるかもしれない。

 ついでにカルト宗教についてもう一言述べておくが、カルト宗教の存亡のしくみは、ウイルスと生物の関係に似ているところがあるように思う。
  • ウイルスが細胞に入り込む狡猾さ→カルト宗教勧誘員が正体を隠して新入生に取り込む狡猾な手口
  • ウイルスの増殖の力→信者獲得を重視する組織のほうが、布教を重視しない組織より拡大しやすい
  • 新型コロナウイルスは、警報物質が作られる量を10分の1に減らす→マインドコントロールの手口により、教義に都合の悪い情報や脱会のアドバイスを遮断する。
もちろん、ウイルスとカルト宗教の対比はあくまでアナロジカルなレベルにとどまる。ウイルスの特徴に加えて、信者間の交流による組織貢献行動の強化なども、カルト宗教の組織拡大の重要な要件にはなっているとは思う。

 本題からすっかり外れてしまったが、かつて、大学構内の自転車置き場でインチキアンケートをしたり、都心の交差点でしつこく話しかけたり、あるいは2人組で個別訪問をしたりして勧誘を続けていた各種カルト宗教団体は、三密回避の風潮の中で、どういう勧誘スタイルに切り替えているのか、興味が持たれるところである。オンライン授業やリモート会議と同じように、「オンライン勧誘」をやっているのだろうか。

 次回に続く。