じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 時計台前にシバフタケが出現。菌輪を作ると言われているが、円形状ではなく、東京の地下鉄路線図のように複雑に繋がっていた。過去の主な写真は以下の通り。


2020年7月3日(金)



【連載】#チコちゃんに叱られる! 「お色直し」、「手品のBGM」

 6月26日に放送された、NHK チコちゃんに叱られる!の感想と考察。この回は、
  1. なんで結婚式でお色直しをするの?
  2. なんで手品の時に「チャラララララーン」って曲が流れるの?
  3. 働き方改革のコーナー
    1. 「チコ調べ! 第1回NHK長短歌合戦」
    2. 「略さないで言ってみよう!」:「ビー玉とは?」 「ピアノとは?」
  4. なんでつゆは梅の雨って書くの?
という疑問が取り上げられた。

 本日はこのうちの1.と2.について考察する。

 まず1.のお色直しだが、番組では「相手の家に染まるため」と説明された。室町時代の礼法書『嫁迎嫁入記』(伊勢貞陸)によると、室町時代の結婚式は丸三日かけて行われ、このうち2日目までは白装束で花婿と過ごし、3日目にお色直しをして花婿の両親に挨拶し、嫁入りが認められていた。しかし、これでは結婚資金が膨大となることから、明治に入って簡略化が推奨された。これに尽力したのが伊藤博文であり、明治33年の皇太子嘉仁親王(後の大正天皇)の結婚式の際に三日三晩の式三献を三々九度に切り替えた。さらに昭和34年の現上皇の結婚式の際に、美智子・元上皇后がウェディングドレスを着用、翌年には石原裕次郎・まき子夫妻結婚式の際にウェディングドレスが着用され、昭和40年頃には現在の「伝統的な」スタイルの「お色直し」が定着したという。もっとも最近の結婚式では「男女入れ替わり」、「着ぐるみ着用」、「プロジェクションマッピングを駆使した瞬間着替え」など変わり種のスタイルもいろいろ行われているという。プロジェクションマッピングは特に良かった。

 さて、このWeb日記で何度も指摘しているように、「○○がなぜ行われているのか?」という疑問に対しては、その発祥・由来をたどっただけでは解明できたことにはならない。過去の経緯がどうあれ、いま現在、なぜそれが行われているのかを探る必要がある。今回の「お色直し」について言えば、やはり、「2通りの衣装を着てみたいから」、「形式重視の堅苦しい結婚式だけで終わらないため」といった、いま現在の行動を強化している要因があるように思う。

 次の2.の手品のBGMについては番組では、松旭斎すみえが1975年頃、たまたま車のラジオからポール・モーリアの「オリーブの首飾り」が聞こえてきて、オシャレだと思い採用したと説明された。ちなみに「オリーブの首飾り」は「EL BIMBO(1974年、BIMBO JET)」というディスコナンバーのアレンジ版。また「オリーブの首飾り」以前の手品の定番曲は「ビア樽ポルカ(1929年、ヤロミール・ヴェイヴォダ作曲)」であったという。

 ここからは私の感想になるが、松旭斎すみえさんが活躍されていた1975年は、私が学部4回生の頃であり、下宿にはテレビが無かったこともあって、手品のショーを観る機会は全くなかった。なので、そもそも手品のBGMとして使われているということ自体、ピンと来ないところがあった。しかし「オリーブの首飾り」を含め、ポール・モーリアの曲はラジオでよく耳にしていた。リンク先にも記されているように、NHKラジオ第一放送などで頻繁にオンエアされていたことは確かで、イージーリスニングと呼ばれているらしい。
 「オリーブの首飾り」以前によく使われていた「ビア樽ポルカ」は、手品というよりは幼稚園や小学校の運動会(玉入れとか競走とか)で耳にしたことが多いように思う。

 次回に続く。