じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 先週のことになるが、岡大周辺をウォーキングしていたところ、まるで雪が降っているかのように空から綿毛が舞い降りてくる不思議な光景に遭遇した。あたりを見回してみたところ、どうやら、写真の木の綿毛が原因のようだ。ネットで調べたところ「ドロノキ」の可能性が高い。

2020年5月19日(火)



【小さな話題】新型コロナウイルスと登山行動

 各種報道によれば、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、静岡県は、ことしの夏山シーズン、富士山の静岡県側の3つの登山道(御殿場ルート、須走ルート、富士宮ルート)を通行止めにすることを決めた。すでに山梨県側の登山道も通行止めが決まっているため、今年の夏山シーズンは、富士山のすべての登山道が閉鎖になるという【出典はこちら】。

 実質登山禁止という措置については賛否両論あるとは思うが、私自身は、やむを得ないところかと思う。

 富士山には4〜5回登ったことがあるが、夏山登山の場合は、七合目or八合目あたりの山小屋に1泊し、夜明け前に出発して登頂を目ざすというのが一般的かと思う【健脚であれば日帰り登山も可能だが、かなりのリスクが伴う】。

 富士山の山小屋は他の山にくらべればかなり整備されていて、中には個室に近いようなところもあるが、基本は三密環境であることに変わらない。私が利用した当時の頂上小屋などは、身動きがとれないほどに密接していて川の字型に寝かされた。

 さらに、時間帯によっては、登山道は先に進めないほどの行列ができることがある。頂上の浅間神社前や剣が峰付近には大勢の人が密集・密接している。

 もう1つ、これもきわめて重要かと思うが、富士山の頂上付近は空気が薄いため、平地では無症状であった人が頂上付近で急に呼吸困難になる恐れがある。登山時にマスク着用を義務づけたとすれば、さらに呼吸しにくくなってしまう。もともと、富士登山では高度障害への備えはきわめて大切であるが、いまのご時世では、頂上付近で、新型コロナを原因とした突発的な重症化が起こらないという保証はなく、その場合、看護や救助をしてくださった方々にも迷惑をかける恐れがある。山小屋などの関係者に多大な損失をもたらすことになるとは思うが、総合的に判断すれば、登山道閉鎖はやむを得ない措置であろう。




 さて、それでは、この夏の登山行動はすべて自粛するべきなのか。これは、感染状況の推移、登山者の数、交通手段などによって、個別に対応すべきかと思う。

 登山行動自体は健康増進をもたらし感染症重症化を防ぐ効果もあると考えられるので、いくら「不要不急」に相当するからといって一律に自粛を求めるものとは思えない。しかし、人気の高い山ではやはり登山者数や山小屋の利用者数を制限する必要があるかもしれない。事故が起こった時の感染予防策を強化する必要もあるだろう。

 ちなみに、私自身は、新型コロナの収束の有無にかかわらず、自分の人生ではこの先、テント泊を伴うような登山やトレッキングは予定していない。体力に自信が無くなってきたのが一番の理由だが、歳を取るにつれて、テント宿泊を煩わしく感じるようになってきた。さらに、近年、テレビの高画質映像を通じて、世界各地の秘境や登山風景を視聴することができるようになり、わざわざ危険承知で自分の足で歩かなくても、十分に絶景を堪能できるようになった、というのも理由の1つとなっている。このまま考えが変わらなければ、私自身の「人生最後の登山」は、モンゴル・ロシア国境の山、また人生最後のテント泊は同じく西モンゴルのツァガーン渓谷のテント場となりそうだ。但し、孫と一緒の日帰り登山などはまだまだ機会があるとは思う。