じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 以前より悪玉コレステロールを減らす薬を服用しているが、薬が残りわずかとなったためやむなくかかりつけの病院へ。緊急事態宣言発出以降では初めての通院であったが、入り口では体温測定、手指の消毒、最近2週間の健康調査などの厳戒態勢がとられていた。受付・会計の窓口も透明板で仕切られており、診察中もマスク着用が義務づけられていた。
 コロナ前であれば風邪をひいて熱の出ている人が病院にかかるのが普通であったが、いまや、発熱している人は別の所へ行けと門前払いされ、熱の出ていない人だけしか通院できなくなってしまった。なお、この時の私の体温は36.1℃。

2020年5月13日(水)



【小さな話題】新型コロナウイルスの集計値の厄介なところ

 Web日記執筆開始23周年や「チコちゃんに叱られる!」の話題のため、5月3日以降、10日ほど新型コロナウイルスの話題を取り上げる機会が無かった。この10日間の間にも感染拡大は続いているが、東京都で1日の新規感染者数が7日連続で40人を下回るなど、ピークアウトの兆しが見えつつあるとも言われている。私の近辺でも、臨時休園となっていた半田山植物園が3週間ぶりに再開されるなど、徐々に元の日常が戻りつつある。

 いっぽう、ジョンズ・ホプキンス大学のまとめによると、世界全体の新型コロナウイルスの感染者の数は、日本時間の5月13日午前3時の時点で、422万9074人となった。国別では、
  • アメリカが135万6037人
  • ロシアが23万2243人
  • イギリスが22万7736人
  • スペインが22万7436人
  • イタリアが22万1216人
などとなっており(2020年5月13日 5時19分NHK配信)、ロシアで感染者数が増えているいっぽう、西欧ではそろそろピークアウトとなり、経済活動の再開が検討されているようである。

 このWeb日記でも何度か述べてきたが、そもそも、日々の感染者数というのは、いま現在の感染状況を正確に反映した数値ではない。国によってPCR検査が受けられる基準が異なることに加えて、検査日と、陽性確認、集計、公表日にズレがある。これは、夜空の星を眺めているようなものと言える。

 例えばベテルギウスは地球から642.5光年離れており、(地球を基準とした)現在は、ほぼ確実に爆発していると思われる。いま我々が眺めているオリオン座のベテルギウスは642年前の姿に過ぎないのである。もっとも、ベテルギウスの爆発が地球に影響を及ぼすとしても、光より早く届くことはない。なので、642年前のベテルギウスを観測することは、地球人がベテルギウス爆発の影響を観測することと、実用的には同じ時間を共有していると言える。

 ところが新型コロナウイルスの場合はそうはいかない。3日前の検査で陽性が確認された場合、その人が他者を感染させるリスクは、検査日よりもっと前から現在まで及ぶ。いっぽう3日前の検査で陰性が確認されたからといって、いま現在も陰性であるという保証はない。

 とにかく、集計された「新規感染確認者数」の増減に一喜一憂したり、折れ線グラフの形だけからピークアウトの有無を素人判断するというのはどうみてもおかしい。もちろん、専門家の間では統計的手法を駆使した正確な把握がなされていると思われるが、一般人に分かりやすい形で説明するのは難しいのか、世間では相変わらず、「新規感染確認者数」ばかりが一人歩きしている。

 同じような問題は死者数についても言える。「感染確認者数」に比べれば国・地域別、あるいは同じ地域での増減が公平・公正に比較できることは確かだが、それでもいろいろな問題がありそうだ。

 まず、医療崩壊が起こってしまったような地域では、新型コロナが原因で死亡しても、検査が行われなかったために、「感染&死亡者」数にカウントされない場合がある。

 また、基礎疾患をかかえていた人がこの時期にお亡くなりになり、かつ陽性が判明した場合、「新型コロナウイルス感染が原因で死亡」なのか「基礎疾患と新型コロナウイルスの相乗作用で死亡」なのか「新型コロナウイルスに感染はしていたがその影響は認められず、それ以外の疾病で死亡」なのかはなかなか判別が難しい。

 上記にも関係するが、今回のような新型のウイルスの場合、感染拡大の初期段階では、基礎疾患を抱えている人たちや高齢者が犠牲になりやすい。となると、高齢者の比率の多い先進国のほうが死者数が増える恐れがある。日経新聞のデータなどを見ると、死者数には地域差があり、アフリカは他地域より明らかに少ないように見えるが、これは、単に、高齢者が少ないことによる結果かもしれない。

 いずれにせよ、死者数というのは、何週間も前に感染して重症化した人が、手厚い治療を受けながらもその甲斐無くお亡くなりになったということであって、感染の現状を反映した数値ではない。

 ということで、この感染症の厄介なところは、終息の時期が予測できないという点だけでなく、収束の手がかりとなるような、頼りになる統計データが存在しないというところにもあるように思う。