じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 岡大・津島東キャンパスの南西端出入口付近で、道端に大量の種が吹き寄せられているのを見つけた。しかし、あたりを見渡した限りでは、ケヤキ、イヌマキ、アカメガシワ、ポプラ、クスノキ、プラタナス、アオギリ、ソメイヨシノがあるのみで、どの種にも該当しないように見えた。もはや自力での検索は不可能と考え、最近お世話になっているお尋ね掲示板に投稿させていただいたところ、すぐ近くにあるプラタナスの大木であることが判明した。
 確かに、プラタナスにはたくさんの球形の実がなっていて当日も目撃していたのだが、それぞれの球体がまるごと1個の種であろうという思いこみが強すぎて、こんな小さな種が密集しているなどとは考えが及ばなかった。人生60+α年にして、プラタナスの「真実」を知ることができてよかったよかった。


2020年4月25日(土)



【小さな話題】「ステイホーム」行動の強化と課題(その1)パチンコ店名公表の効果とギャンブル依存症

 各種報道によれば4月24日、大阪府の吉村知事は、府の休業要請に応じず、営業を続けている府内の6つのパチンコ店について、新型コロナウイルス対策の特別措置法の45条に基づいて店名を公表した。吉村知事は「公表した理由は新型コロナウイルスのまん延防止のためだ。府民の皆さんはこれらのパチンコ店には行かないよう、感染拡大防止にご協力をお願いしたい。店には、まずは休業要請に応じていただきたい」と述べたという。吉村知事はまた、今回の6つの店舗以外に休業要請への協力を求めているパチンコ店が28店舗あることを明らかにしたうえで、要請に応じない場合は、来週にも店名の公表などに踏み切る考えを示した。【以上、出典はこちら

 このニュースは民放のニュースなどでも報じられていたが、強制力を伴わない要請や店名の公表だけですべての店舗が休業に踏み切るかどうかは難しいようにも思う。というのは、そもそも、これまで店が営業を続けてきたというのは、それなりにお客が入って一定の収益が確保できているからに他ならない。新型コロナウイルス感染を恐れて誰も入店しなくなれば、府知事の要請があろうとなかろうと営業を続けている意味はなくなる。

 ではなぜ一定数のお客がパチンコを続けようとするのか。これは言うまでもなく、パチンコ依存、広義にはギャンブル依存にかかっている人が一定数存在するからである。感染のリスクがこれだけ指摘している中で、いまなお、朝一番にパチンコ店の前に行列をつくるような人は、おそらく一日中店内に籠もっている【←そういう点では、ある種の外出自粛にもなっているかもしれないが】。パチンコ店の前で開店を待つ男性は、民放番組のインタビューに対して「感染リスクがあることは承知しているが、家に籠もっているとストレスが溜まる。パチンコをすればストレス解消になる」と答えていたが、多少なりとも工夫・努力すれば、家にいてもストレス解消はできるはず。当人は「パチンコをすればストレス解消になる」と思い込んでいるが、本当のところは、「パチンコをしなければストレスが溜まる」という依存症に陥っているのである。これは、ニコチン依存者が、「タバコを吸えばストレス解消になる」と勝手に思い込んでいるのと同様だ【本当のところは、タバコを吸わなければ禁断症状が現れる、というニコチンに操られた体になっているだけなのだ】。

 なので、パチンコ店の営業自粛を求めるという対策は、中長期的にはパチンコ依存症をいかにして根絶するのかという見通しのもとで実行されなければならない。もちろんこれは、パチンコ業界の存亡にかかわることにつながるが、レジャー産業が多様化している現在、庶民のささやかな娯楽や休息のための施設としてのパチンコ屋の社会的役割はすでに終わっており、今後は、子どもから高齢者までが楽しめるような、バーチャル体験施設などに商売替えをしていくべきではないかと思われる。

 それはそれとして、新型コロナウイルスの感染防止策という至上課題のもとでは、上記とは別の特効策を講じる必要があるかもしれない。

 まずは、パチンコ屋の店内を改造し、一台一台を個室カプセル化し、換気や消毒を徹底することである。パチンコはもともと一人で遊ぶものであるゆえ、プレーヤー同士が濃厚接触しなければ、むしろ外出自粛に準じる効果をもたらすはずだ。要するに、ナイトクラブやライブハウスに通う人が代わりに個室型のパチンコ屋に通うのであれば、その分、人と人との接触を減らす効果がある。コストの問題があるが、今後も新々型、新々々型の感染症が懸念される中でパチンコ業界が生き残っていくためには、個室カプセル型への改造はぜひとも必要である【もちろん、このことと、パチンコ依存症の問題は別】。

 もう1つの可能な対策は、パチンコ台、もしくはそれに類するゲーム機器を、自粛期間中に貸し出すというもの。じっさい、私が学生の頃に遊んだようなシンプルなパチンコ台であれば自宅でも遊ぶことができるし、いつぞや、高齢者デイサービス施設で、そういうパチンコ台を並べて設置しているのを見たこともあった。もちろん、より高度なマシンの場合は、タブレットなどを利用したオンライゲーム機器のほうがコストがかからないだろう。

 もっとも、ゲーム機器がこれだけ多様化しているなかで今なおパチンコ業界が存続している理由の1つは、おそらく、景品交換による現金化のシステムにあるのではないかと思われる。チューリップにパチンコ玉が入って、ジャラジャラとたくさんの玉が出てくるだけで強化されている人であれば景品交換は大した問題ではない。いっぽう、その日の成果がお金に換えられることで強化されている人の場合は、これでは満足しない。オンラインゲームで代替するためには、現金ではなくポイント獲得システムを充実し、法律に触れない形でポイント交換を多様化することが有効ではないかと思われる。

 もとの話題に戻るが、中長期的には、やはり、ギャンブル依存症脱却支援とセットで対策に取り組むことが望ましい。厚労省の2017年9月の調査によれば、
  • ギャンブル依存症の疑いがある人は全国で推計70万人
  • 生涯のうち一度でも依存症だった疑いのある人は320万人。
  • 1カ月の賭け金は平均5.8万円で、8割がパチンコ・パチスロ。
であるという。但し、さまざまな依存症は、ある日突然そうなるのではなく、日常生活上のさまざまな困難からの逃避、回避がきっかけとなる場合が少なくない。なので、単純に法律で禁止や規制するだけで解消できるものではない。依存に陥りにくいようなライフスタイルの構築と相互支援が不可欠であることを忘れてはならない。