じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 北九州のウォーキングコース沿いのオオキバナカタバミ。このあたりでは何年か前から自然に繁殖している。いっぽう、私の住む岡山では滅多に見かけない。

2020年4月8日(水)



【連載】ABC予想 その2 足し算と掛け算の違い(1)

 昨日の日記でABC予想の話題を取り上げたが、正直言って、この予想がなぜ重要なのか、どういう形に一般化できるのか、については素人の私には全く理解できていない。

 さて、ネットでいろいろ検索してみると、「ABC予想は足し算と掛け算の関係」に関する主張であるというような解説が散見された。そこで、とりあえず、足し算と掛け算はどう違うのかを私なりに考えてみることにしたい。こういうことは代数学の教科書にはちゃんと書かれてあると思うのだが、どっちにしても隠居人の戯れレベルの理解に過ぎないことは明白であり、それなら自力で考えてみたほうが面白いはずだ。

 まず、人間がどうやって足し算や掛け算を使うようになったのか、考えてみる。おそらくこれは、集団社会の中で、モノを数える必要があったことから始まっている。狩りをしている時に獲物が何頭いたとか、魚が何匹釣れたとか、隣の村は何人住んでいるといった情報は極めて有用であろう。これらの情報をやりとりするには、数に、1、2、3、...といった名前をつける必要がある。しかし数は無限にあるので、極めて大きな数まで個別に名前をつけることはできない。そこで、記数法が発達する。

 数えるという行動が広範囲に及ぶようになると、足し算によって行動が節約できるようになる。例えば、ある小屋に牛が3頭、別の小屋に4頭いたという情報があるとする。足し算を使えば、改めて数え直さなくても、合計で7頭という知識を得ることができる。

 さて、ここまでは具体的な計算を伴う足し算であるが、足し算と掛け算の本質的な違いは、演算そのものの性質に見いだされなければならない。

 まずは、0(ゼロ)および自然数すべてからなる世界について考えてみる。足し算(+)や掛け算(×)を含めた一般的な演算の記号として「★」を考える。足し算と掛け算に共通しているのは、

a★b=c

という時のc(計算の結果)が自然数の世界の中に必ず存在していることである。

 次に、任意のaに対して

a★x=a

となるようなxが存在するかどうかを考える。足し算の場合はx=0、掛け算はx=1であり、これはかなり重要な違いになりそうだ。

 次に、任意のaに対して、

a★x=x

が存在するかどうか考えてみる。足し算の場合はそのようなxは存在しない。いっぽう、掛け算の場合はx=0が存在する。

こうして考えてみると、足し算と掛け算の本質的な違いは、0と1の役割の違いにあるようように思われる。

 不定期ながら次回に続く。