じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 3月21日の朝はよく晴れて、東の空に月齢26.3の月、3月20日の15時22分に大接近(0°43′)となった火星と木星、さらにその近くには土星が見えていた。さらに3月24日には西方最大離角となる水星も南東の空に出現し、宵の明星となっている金星を除き、「月火水木土」のすべてを明け方の空で眺められるようになった。
 なお、私のコンデジでは火星はかろうじて写る程度。昨日掲載の国際宇宙ステーションの写真でも、オリオン座の2等星の一部がかろうじて写る程度であった。

2020年3月21日(土)



【小さな話題】「県境閉鎖」は新型コロナウイルスの感染拡大阻止に有効か?

 新型コロナウイルスの感染はさらに拡大し、国内感染者(クルーズ船を除く)はついに1016人に達した【3月21日02時05分NHKまとめ】。また海外では、
  • 中国:8万967人
  • イタリア:4万7021人
  • スペイン:1万9980人
  • イラン:1万9644人
  • アメリカ:1万5219人
  • ドイツ:1万3957人
  • フランス:1万2612人
また、死亡した人は、
  • イタリア:4032人
  • 中国:3248人
  • イラン:1433人
  • スペイン:1002人
  • フランス:450人
  • アメリカ:201人
というように恐るべき数に広がっている。

 こうした状況のなか、大阪府の吉村知事は3月19日夜に緊急の記者会見を開き、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、3月20日からの3連休、大阪府と兵庫県の間の不要不急の往来を控えるよう求めたという。こうした呼びかけは、国のレベルで言えば渡航中止勧告、さらに厳格化すれば、出入国の拒否や国境閉鎖に通じるものであると言える。

 もっとも、3月20日午前10時集計時点での都道府県別の感染状況を見ると、大阪府は134人で全国第3位、兵庫県は95人で第5位となっており、これらの府県の間を往来して感染するリスクと、それぞれの府県の中を移動して感染するリスクはそれほど変わらないようにも思われる。

 兵庫県や大阪府への往来自粛は、大阪府知事ではなく、むしろ、岡山県、鳥取県、島根県など、3月20日時点で感染者が1人も確認されていない知事が呼びかけたほうが感染拡大の防止に効果的であるように思える。

 ところでこの都道府県別の感染状況を見ると、地域によってかなりの違いがあることに気づく。感染者が多数確認されているのは、北海道、新潟、南関東4県、愛知、京阪神3県に過ぎない。東北6県、北関東、中部地方の一部のほか、特に注目したいのは、中国・四国地方9県と、九州・沖縄地方8県での感染が極めて少ないことである。

 上にも述べたが、中国地方のうち岡山、鳥取、島根は未感染。九州では鹿児島が未感染のほか、長崎や沖縄の事例はクラスター感染には繋がらないと聞いている。大都市の福岡市や北九州市をかかえる福岡県でも、現時点では5人にとどまっており、京阪神以東・以北の大都市とは大きな違いを見せている。

 そこで、現実には殆ど不可能であることを承知の上で敢えて仮想してみるが、仮に兵庫県に隣接する鳥取、岡山、徳島(淡路島経由)の県境をすべて閉鎖し、山陽新幹線や在来線、山陽道や中国道などの主要道路の往来を原則禁止にしたとすると(但し物流や人道的にやむを得ない往来を除く。入域に際して健康チェックを行う)、京阪神以西のエリアではほぼ確実に感染症の拡大が防げるのではないかという見方も出てくるように思われる。

 もちろん、じっさいにそんなことをしたら日本経済は破綻するという批判も出てくるかもしれない。しかし、今後、もし東日本や京阪神エリアで『オーバーシュート』が発生し外出禁止措置が取られたような場合でも、中四国、九州沖縄地域(あるいは、東北、中部の一部の地域)の人たちが頑張って生産活動や支援活動を続けることができるのであれば、結果的に日本全体が救われることになる。

 ま、上記の仮想は、あくまで京阪神より西の地域には感染者が殆ど居ないということを前提にしたものであって、実際には、中四国や九州沖縄にも、感染に気づかないスプレッダーが多数存在しているという可能性は無いわけではない。とはいえ、感染の広まっている地域とそうでない地域の間の往来はできるだけ避けて、分散化による危機対応を図ることは大いに意義があると思う。