じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 3月16日朝はよく晴れて、南の空に月齢21.3の月が輝いていた。今回の下弦は18時34分。ちなみに春分の日に近い今の季節、上弦の月はそらの高いところに(赤緯が最北に近い)、下限の月はそらの低いところ(赤緯が最南に近い)に輝く。【秋分の日に近い季節では逆】


2020年3月16日(月)



【小さな話題】株価と為替の乱高下

 このところ、新型コロナウイルス感染拡大などの影響を受けて株価やドル円の為替レートが乱高下している。3月13日の日経平均の終値は1128.58円安い17431.05円という大暴落。NYダウ工業株30種は歴史的な大暴落となるかと思えば、13日の終値はトランプ大統領の国家非常事態宣言に伴う経済対策を好感して1985.00ドルの急騰となった。ドル円のほうも2月下旬の112円前後から3月9日の102円前後まで円高となったかと思えば、直近では107円前後まで戻し、1日の変動幅が4〜5円という乱高下になっている。

 こうした乱高下は、個人の資産価値を大きく左右するものであるが、株が20%暴落したからといって直ちに20%分の資産が羽が生えて飛んでいったということにはならない。なぜなら、株式市場で取引される株というのはあくまで売買の結果であって、資産そのものの評価ではないからだ。

 会社の経営に参加している株主、あるいは配当金や株主優待目的で株を保有している人にとっては、連日の乱高下は大した問題ではない。経営がそれなりに安定しており、何らかの事情で資金調達が必要になった時にそれなりの価格で売却することができればそれでよいということになる。

 これは車の所有と同様である。手元にデータが無いので具体的な数字は挙げられないが、中古車の価格も日々変動し、時には暴落したり、逆に急騰する時があるはずだ。しかし、ふだん車で通勤したり、休日にドライブに出かけたりしている人にとっては、自分の車がちゃんと動いてくれることが重要なのであって、中古車としていくらで売れるかということはどうでもいいことである。

 もちろん、デイトレードで生計をたてている人にとっては乱高下は重大な関心事である。変動が大きいゆえに、大儲けできる千載一遇のチャンスでもある一方、見通しを誤れば大損害を被ることもある。

 ところで、デイトレードは別として、退職金などを適度に資産運用している人の場合、今回の暴落はどの程度の影響を与えているのだろうか。

 まず、ロボアドで米国株式・債券を中心に資金運用をしている場合だが、条件や期間にもよるが、現時点ではギリギリのところで黒字を維持できているようである。【暴落直前に大量に入金した場合は相当の赤字になっているだろうが】

 まとまった資金の運用に比較的適していると思われるものに、日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(1570)を対象とした仕組債というのがあった。これは、「当初価格(受渡日の対象上場投信終値)」の85%以上の時は年利換算で11%前後、それを下回った場合は0.5%という高金利が魅力であるが、当初価格の65%を下回ると「ノックイン」と判定され、かなりの不利益を被ることになる。例えば、日経平均が2万円から2万1000円の頃に購入した場合(当初価格が16500円〜19000円)、ノックインの判定基準は10700円〜125000円であった。3月16日朝までの時点で、日経レバ(1570)の最安値は3月13日の10780円となっているので、今回のような暴落があった時には、ノックインに陥る危機は十分にあったと言える。但し、実際には、昨年の10〜11月頃に、殆どの仕組債は当初価格の110%を上回っていたはずで、逆に早期償還基準を超えて、損失を被る前に全額償還となったはずである。

 3月13日の時点では、金価格(NYC)も1516.70ドルで、73.60の暴落となった。債券もこれまでのところ売られており、世界全体が、株も債券も金も信用しなくなっているようにも思われる。

 3月16日朝のモーサテの最中には、「米FRB 政策金利引き下げ 事実上ゼロ金利導入」とか「日銀 世界の中央銀行と協調しドル供給拡充」といったニュースが飛び込んできて、いっとき明るい雰囲気になったものの、その後「NYダウ先物下落で始まる 下げ幅は一時1000ドル超」とか「日経平均先物17000円を割る」といったニュースも入ってきて、月曜日も激動の1日となりそうな気配。