じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 マスカットユニオン(北福利施設)の入口に公務員説明会の案内板があった。興味深いのは、鳥取県だけが「仕事説明会」、他は「業務説明会」となっていたことである。念のため鳥取県の公式サイトを閲覧したところ、
県の仕事

 県の組織、業務内容、主な機関の所在地のリンクを掲載するほか、本県職員の仕事内容や受験者のみなさんに向けたメッセージを掲載しています。
となっていて、「仕事」という表現が一部に使われていることが分かったが、「仕事」と「業務」をどう区別しているのかはイマイチはっきりしない。

2020年2月20日(木)



【小さな話題】「パラサイト 韓国映画にみる格差社会」

 2020年2月9日(現地時間)に開催された第92回アカデミー賞授賞式で、韓国映画「パラサイト 半地下の家族」が作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の最多4部門を制した。英語以外の外国語映画が作品賞を受賞するのは、同賞史上初の快挙であるという。

 この映画は、半地下に住む貧しい家族が主人公。身分を隠して豪邸で働き、豪邸から金銭を搾取するというようなストーリーであるというが、私自身は今のところ観る機会が無い。

 このことに関連して、2月14日放送の、NHK くらし☆解説で、

「パラサイト 韓国映画にみる格差社会」

という話題を取り上げていた。

 韓国の格差社会については、韓流ドラマ(例えば、「私の心が聞こえる?」や、「シークレット・ガーデン」)を通じてある程度知っていたが、ドラマはあくまでフィクションであって、現実の格差よりドラマのほうが誇張されているのではないかと思っていた。

 しかし、番組によると、韓流ドラマや、今回の映画で描かれている格差は、どうやらフィクションではないようだ。

 まず強大な財閥がある。番組によれば韓国の10大財閥は韓国全体の3/4の富を生み出しており、所得上位10%の富裕層の所得は、国民全体の総所得の45%を占めているという。

 韓国ではまた、高齢者に貧困率も問題になっている。OECDの2015〜2017年資料によると、韓国における高齢者の貧困率は43.8%で、アメリカの23.1%や日本の19.6%よりダントツで高い。その高齢者(65歳以上)が公的年金から得ている人はわずか0.8%、残りのうち72.4%は子どもたちからの支援、16.2%は仕事からの収入によるという。そもそも韓国で国民年金が本格的に支給開始されたのは2008年からであり、支給額は平均で3〜4万円/月にとどまり、また2060年には高齢化率が40%以上になるという予測がある。そう言えば、2月19日のこちらの記事によると、韓国の2018年の合計特殊出生率は「0.98」で、1を割り込んだのは経済協力開発機構(OECD)加盟国の中でも唯一であるという。少子化が進む中では年金制度の拡充は難しいように思われる。

 番組ではそのほか、韓国の10万人あたりの自殺者が24.6人(OECD2015〜2017年資料)という数値も紹介された。【日本も自殺率は高いが、同じ資料では15.2人となっていた。】 1969年生まれのポン・ジュノ監督は、「格差が広がる中で、富裕層と貧困層の共存や共生が難しくなりつつある」とも語っているという。

 韓流ドラマでも描かれているが、韓国ではコネの力が強い。このことはまた汚職の原因にもなるようだ。さらに驚くのは、歴代大統領の末路である。いくつかのサイトから閲覧可能であるが、全斗煥、盧泰愚、朴槿恵、李明博、というように何だか、大統領になった人は、みんな逮捕されているように思えてしまう。

 韓国というと、最近では慰安婦問題、徴用工問題、輸出手続問題、防衛問題などがあって日韓関係は最悪などと言われているが、韓国内でどういう問題が起こっているのかを冷静に学び、日本の将来にも共通する部分について真摯に取り組んでいく必要があるだろう。