じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 中国・西寧で見かけた関東煮の店(こちらに詳細あり)。↓の「おでん」の記事参照。

2020年2月10日(月)



【連載】#チコちゃんに叱られる! 「段ボールの由来」、「おでんのでん」、「しっとりの原因」

 2月7日放送のNHK チコちゃんに叱られる!の感想と考察。この回は、
  1. 段ボールの「段」ってなに?
  2. おでんの「でん」ってなに?
  3. 「しっとり」ってなに?
という3つの疑問が取り上げられた。

 まず、1.の段ボールの名称に由来については「井上さんが段々だと思ったから」と説明された。井上さんというのは井上貞治郎(いのうえ ていじろう、1881年-1963年)のことで、国産ダンボール紙を技術的に完成、レンゴーの前身である三盛舎(後に三成社)を設立したことで知られている。段ボールはもともと「なまこ紙」と呼ばれていたが、両面型(なまこ紙の両面に平らなボール紙を貼るタイプ)の製品が今までと違う新しい製品であることを印象づけるために、「波型紙」、「波状紙」、「弾力紙」などさまざまな候補の中から「語呂がよく見た目も段々」ということで「段ボール」と名づけられたということであった。なおボールというのはペーパーボード(paperboard)の「ボード」が日本人には「ボール」と聞こえたことに由来しているという。

 ウィキペディアによると、段ボールは19世紀にイギリスで開発され、井上が開発した強固な段ボールは1900年代から流通していたとのことであるが、私が子どもの頃(昭和30年代)には、リンゴを運ぶ箱は木箱(中に籾殻が入っていた)であり、これを積み重ねて小屋を造って遊んだりしていた。当時から見かけた段ボールは電球を包装する小さめのものだけであったと記憶している。その後、中学生の頃(昭和40年代)になると、文化祭や体育祭で、飾りや仮装行列に段ボールが使われるようになった。最近では、スーパーでの買い物の際にレジ袋の代わりに無料の段ボール箱に入れて持ち帰ること

 次の「おでん」の語源が田楽由来であることは知っていた。もっとも、田楽で串刺しにするのは、コンニャクや大根だと思っていたが、番組では豆腐とされていた。番組によれば、大正時代に、関東の煮込みが関西に持ち込まれた。この時点では「関東煮」と呼ばれており、だしと具材が関西風にアレンジされた。その後、関東大震災をきっかけに関西風のおでんが炊き出しで配られるようになり全国に広まっていったという。なお、上掲写真にもあるように、「関東煮」は中国・西寧でも売られていたが、日本由来のものか、中国の伝統料理なのかは確認できていない。

 最後の3.の「しっとり」は日本国語辞典では
  1. 湿気が軽く全体にいきわたっているさま、濡れ湿っているさまを表わす語。
  2. ゆっくりと落ち着いたさま、深く静まりかえっているさまを表わす語。また、よく整って安定しているさまを表わす語。じっとり。
  3. しとやかなさま、しずかで落ち着いた味わいのあるさま、また、女性の、しずかな中にもうるおいやほのかな色っぽさがただよっているさまを表わす語。じっとり。
というように3通りの意味が記されているが、番組では触覚について、2段階の摩擦を引き起こす素材を触れた時に「しっとり感」が生じるというように説明された。この「しっとり感」は、辞書と異なり、水を含むことを必要としていない。具体的にはパウダーファンデーション、ティッシュペーパーなどがある。2段階の摩擦とは「ベタッ」という初期の「湿り感」と、その後の「スルーッ」という「なめらか感」の複合。番組の実験では、高級ティッシュ、革製サイフなどで「しっとり感」が得られることが機械的に測定された。なお食感の「しっとり」は、舌触りと食べ物の崩れ方も関係しているとのことであった。

 私自身は「しっとり」をあまり感じたことがない。1つの原因は、加齢とともに指先が乾燥してザラザラになっているためで、スーパーで渡されるレジ袋の口がうまく広がらなかったり、銀行ATMのタッチパネルがうまく反応してくれないこともある。革製品に触れた時に、しっとりとはこんなものかと感じる程度にすぎない。