じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 12月15日(日)は恒例の「山陽女子ロードレース」が開催された。岡山マラソンと同様、毎年ウォーキングを兼ねて観戦させていただいている。
  • 左上:10kmレース。
  • 右上:津島新野付近を通過する先頭集団。ゼッケン1が優勝したイギリスの選手。ゼッケン5は2位になった前田穂南選手。
  • 左下:前田穂南選手が2位でゴールするところ。
  • 右下:シティライトスタジアムのグラウンド。選手目線で見たゴール方向。
※昨年の記録はこちら

2019年12月15日(日)



【連載】関係反応と #関係フレーム をどう説明するか(49)専門書、入門書で取り上げられている事例(6)

 12月12日の続き。今回からは、2006年に出版された、

武藤崇(編)(2006)『アクセプタンス&コミットメント・セラピーの文脈―臨床行動分析におけるマインドフルな展開』(ブレーン出版)

を取り上げることにしたい。ちなみにこの本は刊行当時3400円であったが、現在品切れ状態となっており中古本市場では9500円以上の値がついている。関係者から聞いた話(←あくまで長谷川の記憶による)では、品切れ状態はどうやら出版社との「関係反応」に絡む事情によるもので、実質的な改訂版は、
武藤崇(編)(2011)『ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)ハンドブック 臨床行動分析によるマインドフルなアプローチ』(星和書店)

に引き継がれているようである。であるからして、入門書としては武藤崇(編)(2011)だけを読めば充分であり、古書店でわざわざ2006年版を買い求める必要は無かろうとは思う【投機対象としてなら別だが】。

 じっさい、2006年版と2011年版は構成は似通っているが、執筆者の異なる章もあり、読み比べて見ることで、当初の難解箇所がどのように書き直されたのかを読み比べることもできる。ちなみに、関係フレームに関する記述は2006年版では、

●武藤崇 「第2章 関係フレーム理論(基礎編1)〜言語行動,刺激等価クラス,そして関係フレーム

となっているのに対して、2011年版のほうは

●武藤崇 「第2章 言語行動とは何か』

という章の後半で、
  • 3. 刺激等価性クラスと「意味」の基盤
  • 4. 関係フレーム理論と「認知」の基盤
という節があるほか、

●木下奈緒子・大月友「第3章 関係フレーム理論―RFTとACTの「関係フレームづけ」を目指して

というように、より詳細な解説が行われているように見える。

 そうは言っても、やはり関係フレーム理論の説明は難しい。せっかくACTに興味を持った入門者がRFTの難解さで挫折しては元も子もないので、「RFTの基礎部分は読み飛ばし、まずは実践や体験を」という指導をしているという話を非公式に聞いたこともある【但し、私はすでに隠居の身であり、ここ2〜3年にどういう進展があったのかは把握していない。】

 次回に続く。