じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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西チベット5景
  • A:中国側から眺めるアンナプルナ、ダウラギリ。
  • B:カイラス山
  • C:カメット山 7756m。1931年に初登頂。当時登頂された山としては世界最高。
  • D:グランドキャニオンに似た「土林」と、カシミール方面の雪山
  • E:ニマから昴仁に向かう途中に見かけた山群


2019年9月19日(木)



【小さな話題】

人生最後の高地旅行

 2週間にわたるチベット西部の旅行から戻った。このツアーは、拉薩を起点に、四駆で、カイラス山、札達土林パンゴン湖(パンゴンツォ)、ガンディセ山脈を巡るもので、標高4500m以上の高地に長期間滞在した。

 この方面は、定年退職の直後から第一希望の旅行先として検討していたが、退職初年度はE社のツアーに申し込んだものの催行中止となった。今年度も、S社による6月のツアーを第一希望で申し込んでいたものの催行中止となり諦めかけていたところ、第二希望のモンゴルツアーに出発した直後、乗り継ぎの空港で時間待ちをしていた最中に、9月発のツアーがギリギリで最少催行人員に達する見込みだという連絡が入り、旅行資金が枯渇していたものの、急遽、参加申込をしたものであった。

 チベット方面はこれまで、中国・チベットに4回、他に、ネパール・トレッキングインドヒマラヤ・ザンスカールを訪れたことがあり、今回で7回目となる。今回をもって観光客が入域可能な地域はほぼ行き尽くしたことになる。チベット方面への旅行は今回が人生最後になるだろう。

 また標高4500メートル以上の高地に宿泊する旅行も、今後の計画は無い。すでにアンデス方面は訪れており、私個人としては他に魅力的な高地が見当たらないというのが一番の理由である。

 今回は幸いなことに、一時的に軽い頭痛があった以外には、高山病の症状は全く出なかった。せっかく高所に強いからだになっているのにこの先再び訪れる計画が無いというのは勿体ないという気もするが、人生、何事も、退き際が肝心である。走り高跳びに喩えるならば、高さ2メートルのバーをギリギリ越えられる選手は、競技場面では2メートル以上の記録を狙うであろうが、旅行先の選択場面では、もう少しゆとりをもって確実に越えられる1.8メートル前後の高さを選ぶべきであろう。今回のツアーでも複数の方が旅行中に体調を崩しておられたが、私自身は、そこまでリスクをおかして参加したいとは思っていない。

 今回の旅行は、旅行人生の総決算という位置づけでもある。旅行資金が確保でき、健康体が維持できていれば今後も何らかのツアーに参加する予定ではあるが、「死ぬまでに一度は行ってみたい」というエリアは殆どなくなった。今後は、「行かれなくても後悔することはないが、行けるのであれば行ってみたい」というレベルで旅行先を選ぶことになるだろう。