じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 昨日に続いて、4月30日に訪れた下関の写真。海響館(水族館)のあとは、人道トンネルを山口・福岡県境まで歩いて往復した。このトンネルは学生時代、火の山ユースホステルに宿泊した時に初めて通行。その後、子どもが小さい頃にも福岡県側から往復したことがあり、今回で少なくとも3回目となる。公共道路のため殺風景であるが、イルミネーションで飾り付けたら一大観光スポットになることだろう。

2019年5月3日(金)




【小さな話題】ブラタモリ熊野編:奇岩と温泉の謎

 4月27日に放送されたブラタモリ・熊野編(後編)を録画・再生で視た。前週で那智大滝の成り立ちや、熊野古道が取り上げられたのに対して、今回は、熊野一帯に点在する奇岩(獅子岩、花の窟、ゴトビキ岩、虫喰岩、一枚岩、橋杭岩など)や、川湯などの温泉の成り立ちが分かりやすく解説された。

 熊野方面には何度か訪れたことがあるが、各所の奇岩がいずれも1500万年〜1400万年前に活動していた熊野カルデラの産物であるということは知らなかった。この熊野カルデラは、長径40km、短径23kmという世界最大級の規模を誇るものであり、阿蘇のカルデラがすっぽり入る大きさであるという。

 火山活動があれば温泉がすぐに思い浮かぶが、熊野一帯にある温泉と、熊野カルデラは直接関係が無いというのも意外であった。番組によれば、熊野の温泉の熱源は、近隣の火山によるものではなく、フィリピン海プレートの余熱のようなものらしい。詳細はよく分からなかったが、海嶺から吹き出したマグマがプレートの移動に伴って熊野一帯の地下に沈み込もうとしている。海嶺からの距離が比較的短いため、十分な余熱があり、流紋岩の割れ目を通ってしみ込んだ水が熱せられて温泉になるというような話であったと思う。

 リンク先によれば、フィリピン海プレートが誕生したのは約5200万年前であり、1500万年〜1400万年前の熊野カルデラの火山活動よりは古い。こちらの説明にもあるように、紀伊半島一帯では複雑な地殻変動や火山活動があり、短時間の解説だけでそれぞれの地形を関連づけるのはなかなか難しそうであった。

 ちなみに、ウィキペディアによれば、同じ和歌山県内にある南紀白浜温泉の熱源は、
白浜温泉は日本列島を覆うどの火山帯にも属しておらず、火山が周辺にないのに温泉が湧き出ていることが、不思議とされてきた温泉でもある。ところが近年の調査で、白浜、有馬などの一帯の高温を噴き出す温泉は火山性の温泉ではなく、フィリピン海から潜り込んだプレートから滲出した高温の地下水が滞留しているものであることが、核燃料サイクル開発機構(現:日本原子力研究開発機構)より研究報告された。
と記されており、どうやら、熊野の温泉と同じ仕組みのようであった。それにしても、当該の研究報告は2018年4月に発表となっていてかなり新しい。白浜温泉のような日本有数の温泉の熱源が、つい最近まで解明されていなかったとすればオドロキである。ま、いずれにせよ、地震の巣として嫌われがちなフィリピン海プレートが日本列島の成り立ちや温泉に大きく貢献しているというのはまことに興味深い。