じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



04月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る

 北九州のウォーキングコース沿いの桐の花。数年前に大規模な剪定が行われ、再び花をいっぱいつけるようになった。
 桐の花は、山陽道を通行中にも各所で見たが、写真の木がいちばん見事。

2019年4月27日(土)




【小さな話題】チコちゃんに叱られる!「なぜ眠くなるとあくびが出るの?」

 4月26日放送のNHK 「チコちゃんに叱られる!」の話題。この回は、
  1. なぜ眠くなるとあくびが出るの?
  2. なぜイカスミは食べるのに、タコスミは食べないの?
  3. 「世界で2番目に高い山は?」
  4. なぜティーカップにはお皿がついてるの?
という4つの話題が取り上げられた。本日はそのうちの1.について取り上げる。

 「あくび」は、一般には「脳が酸欠だから」、つまり閉め切った部屋で講義を聴いたり会議をしたりしていると部屋の酸素が不足し、それを補うための深呼吸としてあくびをすると考えられているようである。しかし、閉め切った部屋でも隙間から常に空気が流れ込んでおり日常で酸欠になることは殆どない、と説明された。酸欠が起こるとしたら、「脳出血・脳梗塞」や「高山病」など特殊な条件のもとに限られているという。

 では、どういう条件のもとで「あくび」が起こるのか? 国語辞典では、「あくび」は
  • 『新明解』疲労や退屈などのため、口が自然に大きく開いてする、一種の深呼吸
  • 『岩波国語辞典』あきたり疲れたり眠くなったりした時、口が自然にあいて行われる深呼吸
というように、「深呼吸」の一種であり、それが発生する条件として「疲労」、「退屈」、「飽きる」、「眠くなる」などが挙げられているようであった。これらの発生条件は、経験的に納得できるものであるが、生理現象一般がそうであるように、
  • それがどういう条件のもとで生じるのか?
  • その現象がどういう働きをしているのか?
は分けて考える必要がある。今回の説明「脳の温度を下げるため」は、「あくび」がどういう働きをしているのか、に関するものであった。

 しかしこの説明は少々分かりにくい。番組によれば、
  1. 脳が疲れたり満腹になったりすると、脳の血流量が減少し、脳の温度も下がる。これが眠気の原因である。
  2. 眠ってはいけない時に眠気が起こると、脳の血流量を増加させるような反応が起こり、脳の温度が上昇する。
  3. ところが、人間の脳は39℃まで上昇すると、脳機能が低下し細胞が破壊されることもある。
  4. あくびを発生させると、吸い込んだ空気がのど付近の血管・血液を冷やし、冷えた血液が脳に送られて温まっていた血液が排出されるため、脳の温度は安全な温度まで低下する。つまり、「あくび」は、脳の温度を下げる効果がある。
  5. つまり、私なりに喩えてみると、あくびが出るというのは、眠らないように一生懸命頑張って脳が火事になりそうになった時の消火活動みたいなものでり、退屈している証拠ではなく、頑張っている証拠と言える【あくまで長谷川による表現】。
というような内容であった【あくまで長谷川の理解した範囲】。

 しかし、ここでよく分からないのは、眠ってはいけない時にどうやって脳の血流量を増加させるような反応が起こるのかということである。ただ「眠ってはダメだダメだ」と自分に言い聞かせるだけで血流量が増えるとは思えない。そんなに簡単に眠気を覚ます反応を起こせるとは考えにくい。

 また、あくびは、赤ちゃんの時から発生する。赤ちゃんや幼児が「眠ってはいけない」と自分に語りかけて血流量を増やしているとは考えにくい。

 もう1つ、「眠ってはいけない」という反応だけで、脳の温度が危険レベルの39℃まで上昇するというのも考えにくい。その程度の反応で「脳機能が低下し細胞が破壊されることもある」というなら、自分の意志だけで簡単に自殺できてしまうはずである。

 あと、あくびだけで脳の温度を簡単に下げられるというなら、不眠症の人は、あくびに似せた深呼吸法を体得するだけで簡単に眠りに入れるはず。といってそのような特効薬的な方法があるというのは聞いたことがない。