じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 「チコちゃんに叱られる! なぜ青春は青い春? 」で説明のあった陰陽五行思想の色と季節との対応関係。下の写真2枚は2008年の元日に参拝したサムエ寺(サムイェー寺)の立体曼荼羅の伽藍。本堂を中心に緑、白、赤、黒の仏塔が配置されている。
 ↓の記事参照。

2019年4月15日(月)




【小さな話題】チコちゃんに叱られる!「なぜ青春は青い春? 」

 4月12日放送のNHKチコちゃんに叱られる?の感想。番組で取り上げられた4番目の疑問は、

●「なぜ青春は青い春? 」

であり、正解は五行思想で「春は青だと決まっているから」であった。

 ウィキペディアには以下のようなより詳しい解説があった。
青春とは、元は春を表す言葉である。二千数百年前の古代中国における陰陽五行思想では、「春」には「青(緑)」が当てられる。同様に、「夏」を「朱(赤)」、「秋」を「白」、「冬」を「玄(黒)」に当て、それぞれ「青春(せいしゅん)」、「朱夏(しゅか)」、「白秋(はくしゅう)」、「玄冬(げんとう)」という。これらは季節を表す言葉である。
 陰陽五行思想と色との関係については私もたぶんそうだろうとは思っていた。北原白秋の「白秋」という号も同じような由来であろう。

 但し、若干気になったのは、番組の説明画像(↑の画像)において、木火土金水に対応する色がそれぞれ「青、赤、黄、白、黒」となっていて、「青」がまさにblueで着色されていた点であった。大相撲の天井にも4色の房(ふさ)が吊されており、時計回りに、青房(青龍)、赤房(朱雀)、白房(白虎)、黒房(玄武)となっているが、青房は青色ではなくどう見ても緑色になっている。このほか、チベットのサムエ寺で見た4色の仏塔でも、仏塔の1つは青色ではなく緑色に塗られていた(↑の写真参照。但し、時計回りに、緑、白、赤、黒の順になっており、五行思想とは異なる可能性がある。)

 もともと「青」には「青葉」と言われるように緑色の意味が含まれており、番組の説明図で「青=blue」と固定してしまってよいものかどうかは疑問が残る。

 もう1つ気になったのは、↑の説明画像で「春、夏、秋、冬」にそれぞれ「青、赤、白、黒」を対応させるのはよいとして、黄色は対応する季節がなく「間」とされていたことが腑に落ちない。ま、初夏秋冬に土用を加えて五季としたり、気象学的に言って、日本の大部分の地域は、「春、梅雨、夏、秋、冬」という5つの季節からなるという主張もあるようなので、季節を5色に対応づけることはそれなりに意味があるとは思うが。

 なお、番組のほか、ウィキペディアでも、
日本では夏目漱石の「三四郎」のヒットを機に定着したと言われており、同書の『考えるには、青春の血が、あまりにも若すぎる』に代表される、若者の焦りや葛藤を表す表現が、現代に至るまでの青春のイメージを定着させたと言われる。
と記されているように、夏目漱石がイメージ定着に大きく貢献したという説が有力であるようだ。但し、ウィキペディア中文版でも青春青春期(puberty)という項目は存在している。

 あと,青年の「青」も由来は「青春」と同一。但し、ウィキペディアの該当項目にあるように、「青年部」とか「青年海外協力隊」と言った時の年齢区分はマチマチであり、年齢規定を設けていない団体もあるようだ。