じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 「チコちゃんに叱られる!」で紹介された「生まれた日付別出生数ランキング」。↓の記事参照。


2019年3月27日(水)



【小さな話題】チコちゃんに叱られる!「なんで4月1日生まれは1つ上の学年になるの?」(4)生まれた日付別出生数ランキングの謎

 まず昨日の続き。

 この話題に関してもう1つ気になったのが、「生まれた日付別出生数ランキング」であった【↑の画像参照】。

 昨日述べたように、4月1日生まれ(早生まれ)と4月2日生まれ(遅生まれ)にはそれぞれメリット、デメリットがあると思われるが、ランキングを見ると4月2日は9月25日に次いで第二位、いっぽう4月1日は360位となっていて、4月2日生まれのほうが圧倒的に多いように見える。

 本来、誕生日というのは365日それぞれの日付で均等に分布するはずであり(2月29日は他の日の1/4。グレゴリオ暦では厳密には1/4とならないが我々の生きている時代は西暦2000年が閏年であり、1900年生まれの人はすでに亡くなっているため、結果的に、正確に1/4となる)、もし日付にばらつきがあるとすれば、
  1. 真の誕生日の日付をずらして出生届を提出した。
  2. 陣痛促進剤などの使用により、出産日の調整が行われた。
  3. 勤務上できるだけ不都合が起きないように妊娠のタイミングをコントロールした。
などによるのではないかと考えられる。

 このうち、1.は本来認められておらず、現行の出生届では
出生届には、出生証明書 (Birth certificate) を添付することとされる(第49条3項)。通常の様式では出生届用紙の右半面が出生証明書となっていて、医師、助産師又は出産に立ち会った者が出産の状況(子が出生した年月日時刻、場所、身長・体重、単胎・多胎。母の氏名、妊娠週数、出産歴)等を記入し、署名押印する。
と定められており、意図的に日付をずらして出生届を出すことは殆ど不可能ではないかと思われる。

 もっとも、かつては、医師や助産師の立ち会いなしに出産するケースもあったことから、当事者が日付をずらして届けても誰も疑わない状況にあった可能性がある。

 上記3.は、例えば女性の大学教員が出産する場合、前期授業を終えてから産休に入り、後期に復帰というような日程を想定してコントロールするという可能性がある。但し、このケースは、月別の出生数にばらつきをもたらすが、4月1日と2日で出生数が異なるというような日付別のばらつきには影響しないはずである。

 上掲の表を見ると、12月31日から1月3日までの出生数は362位から365位となっていて明らかに年末年始の出産を避けていることが見て取れる。これは、年末年始は病院などの受け入れ体制を考慮したものと思われる。
 ランキングでは、9月25日に生まれた人が最も多くなっているが、これは9月25日が特異日ということではなく、9月全体の出生数が月別では最も多いためと考えられる。これは、上掲のランキングでは、9月の日付がTop10の中で5日(9/25、9/26、9/21、9/18、9/28)、つまり半分を占めていることからも分かる。上記の3.にも挙げたように、勤務形態の都合から、8月頃に産休に入るタイプが多いためではないかと思われる。

 このほか、ランキングでは5月2日と5月1日がTop10に入っているが、これは5月3日〜5日の連休を避けて出産を早めたためと考えられる。

 なお、月別の出生数の経年変化については、こちらに公式の統計があった。興味深いのは、戦前は1月から3月生まれが圧倒的に多く、6月生まれが最も低かったという点である。戦後はしだいにばらつきが無くなり、平成12年では9月のみ10%、それ以外の月は9%台で殆ど差が無くなっている。戦前に1〜3月生まれが多く6月が最も少ないのは、おそらく農閑期に出産・育児を行ったためではないかと推測される。