じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 1月23日から28日までの金星の動き。3星が描くV字型の位置関係が、木星を上にした逆V字型に変わってきた。このあと、1月31日〜2月1日には月が木星や金星に接近する(日本では見られないが金星食あり。)

2019年1月28日(月)



【連載】

関係反応と関係フレームをどう説明するか(27)「関係フレーム」とは何か?(15) いろいろな関係フレーム(10)Opposition(5)「違う」と「反対」の区別

 昨日の日記で、「違う」と「反対」を区別できるようにするための訓練について考察した。

 まず復習になるが、「同じ」、「違う」、「反対」というのは、いずれも、《一定の基準》のもとに、事物の《ある特徴》に基づいて関係づけた結果であって、自然界に最初から存在しているわけではない。

 上記の《ある特徴》は、ふつう、事物の形態的特徴や機能に基づいているため、非恣意的と言える。雨が降っているのに晴れているとは言えないし、より大きいものをより小さいと言うこともできない。
 いっぽう《一定の基準》のほうは恣意的に設定可能であるが、いくら恣意的に可能だからといって、役に立たない基準を作っても誰も利用しない。この有用性はニーズによって変わってくる。気象番組で「晴」と「雨」が区別されるのは、それが日常生活行動に大きな影響を与えるからである。いっぽう「快晴」なのか「晴」なのかという区別は通常はあまり有用とは言えない。しかし、皆既日食やオーロラを見物する人にとっては雲があるかないかは重要な基準になる。

 次に、「違う」と「反対」の区別について復習しておこう。万物流転の世界にあっては、あらゆる事象は常に変化しており、「同じ」というのは幻想にすぎない。また目の前に呈示された2つのモノは、どんなに同じ形をしていてもどこかに違いがあるし、物理化学的に100%同一質量、同一構成物質であっても位置に違いがある。というように考えると、デフォルトは「違う」であり、そうした違う部分をニーズに応じてひとまとまりにしたものが「同じ」ということになる。

 すでに述べたように、「反対」というのは、「違う」に比較軸(対立軸、対照軸)を設定して、対比的にとらえるという反応の仕方と言える。どういう比較軸を設定するのかは恣意的に決められるが、やはり有用性が大切。また比較軸自体は物理化学的性質に依存しているので恣意的に逆転させることはできない。

 「反対」の大きな特徴は、「反対の反対は同じ」というように、2つの反対関係を複合的相互的内包で繋げば、「同じ」が内包される点にある。マイナスの数にマイナスの数を掛け合わせたらプラスになるというのと同じ結果である。

 1月25日の日記にも記したように、RFTのパープルブックには、

●If hot is the opposite of freezing and cold is the opposite of hot then cold is the same as freezing.

という例が挙げられている。

 要するに、同じ比較軸(=文脈)のもとでは、

「Aの反対はB」であり「Bの反対はC」であるならば、「AとCは同じ」

という複合的相互的内包が成り立つ。但しこれはあくまで同じ比較軸の中での対照である。

●「Aの敵はB」、「Bの敵はC」であるなら、「AとCは味方」

というのは「徳川家康か石田三成か」という対立軸のもとでは妥当だが、三国志のような群雄割拠の時代においては、

●「Aの敵はB」、「Bの敵はC」、「Cの敵はA」

という3者相互の敵対関係もありうるだろう。

 でもって「違う」の場合はどうかということになるが、

●「AとBは違う」、「BとCは違う」

という2つの関係があったからといって、AとCの関係はさらに違うかもしれないし、より似ている場合もあって不定となる[]。但し、二次元空間にA、B、Cを適当に配置してみると分かるが、違いの大きさをそれぞれの点の距離で表せるような場合、AとB、BとCそれぞれの距離が分かっていたとすると、AとCの距離は、どんなに離れていても、それら2つの距離の合計より遠くなることはあり得ない。けっきょく、距離が測れる空間である限りは、

●「AとBは違う」、「BとCは違う」ならば、AとCには何らかの関係がある

ということは言えるのではないかと思われる。
]二次元空間でAとBを固定すると、Cは、Bを中心として、B・C間の距離を半径とする円上のどこかに存在する。

次回に続く。