じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 相変わらず寒い日が続いているが、講義棟南側の空地では早くもオキザリス・バリアビリスが花を開き始めた。落ちてきたサザンカの花びらとのコラボが美しい。

2019年1月19日(土)



【小さな話題】

怪我が多すぎる大相撲

 定年退職後に夕食の時間帯を早めたこともあって、夕食をとりながら大相撲中継を観戦することが多くなった。

 今場所は稀勢の里引退が話題になっているが、他にも大関・栃ノ心が5日目から、横綱・鶴竜が6日目からそれぞれ休場、さらに絶好調で全勝を続けてきた小結・御嶽海が左膝を負傷し7日目からの出場が危ぶまれる事態となった。

 引退した稀勢の里の場合も2017年3月場所で13日目に傷めた左上腕付近の負傷が間接原因となっている。そう言えば、この2017年3月場所で対決した照ノ富士も左膝の怪我が原因で大関、十両、幕下、三段目と陥落し、今場所も全休していることから次の3月場所では序二段への陥落が確実視されているという。

 もちろん幕内や三役力士の中には、竜電のように十両からいったん序の口まで陥落してその後入幕を果たした力士もいるが、このような事例はきわめて稀である。不本意な怪我で関取になれずに引退した力士は数え切れないほど多い。

 怪我による休場、陥落、引退は、大相撲全体に悪い影響を及ぼす。

 まず、根本的な問題として、大相撲は、力士たちが日々稽古・精進し、その努力が報われる姿を観戦することに最大の意義がある。偶発的な怪我はそれに水を差すものである。もちろん怪我の克服は美談ではあるが、本来の試練の場ではない。試練は、怪我をせずに努力できる場で与えられるべきである。

 第二に、期待されていた人気力士が怪我で突然休場することは興行的に大きなマイナスとなる。

 第三に、怪我によって関取の夢が閉ざされるということは、大きなリスクである。かつて大鵬が弟子入りした頃には、御飯を好きなだけ食べられるというだけで弟子入りしたかもしれないが、モノが豊富で安定志向第一のいまの時代、そのようなリスクを背負ってまで力士の道を進む若者はそう多くはいるまい。結果的に、有望な力士(特に日本出身の有望力士)が少なくなり、大相撲の人気が低下してしまう。

 ではどうすればよいのか、ということになるが、せめて土俵の周り緩衝材を配置するとか、膝や足首に怪我を防止するためのプロテクター着用を義務づけるなど、伝統や慣習にこだわらず、できる対策はとってほしい。このほか、体重制限もあってよいのではないかと思われる。大型力士にもそれなりの魅力はあるが、体重が重すぎると自身の脚に負担がかかりすぎるし、相手力士を怪我させるリスクも高まる。さらに体重を重くするために食べ過ぎたり栄養が偏ったりすると糖尿病のリスクも高まる。ぜひとも抜本的な対策をとってもらいたいところだ。