じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 12月16日(日)は、ふるさと納税の返礼品として玉野市からいただいた入館優待券を使って、瀬戸内温泉たまの湯に行ってきた。28000円(2018年は30000円)の寄付で1300円〜1900円相当(平日会員料金1300円〜土日祝日一般料金1900円)の優待券10枚が貰えるというお得な仕組みであった。
 もっとも、2018年は定年退職・年金生活に入ったため、控除を受けられる上限が大幅に減り、残念ながら寄付を続けることができなくなった。優待券は残り2枚(有効期限は2019年1月末)となっているので、夫婦であと1回は利用できるが、もともと遠方でもあるので、その後も通い続けるかどうかは未定。


2018年12月16日(日)



【連載】

関係反応と関係フレームをどう説明するか(2)基本的な検討課題

 12月14日の続き。

 前回はいきなり実験場面の話題に入ってしまったが、その話を続ける前に、基本的事項についてもう少し整理しておこうと思う。定年退職時の記念行事などで私が提起させていただいた検討課題は以下の3つであった。
  1. 文脈とは何か?
  2. 刺激の機能として記述したほうがよいのか、それとも反応を主体として説明したほうがよいのか?
  3. 認知主義的な用語はなぜ受け入れられやすいのか? そのことによるデメリットはどういう点にあるのか?
 このうち1..については次回以降で詳しく取り上げることにしたい。

 2.については、最近読んだ文献の中にも
For instance, imagine that the child in the above exercises and I are in a foreign country in which coins that the child has never seen before can be used to buy things (in other words, they now have an appetitive function), and imagine that I show her a previously unseen Coin A and ask if she wants this coin.
というような「刺激機能の変換」に関する記述があった。この中の「they now have an appetitive function」というのは「コインがappetitive functionを獲得した」というような意味になるかと思うが、コインそれ自体はタダの金属物体であって、どのように物理的・化学的に分析をしてもappetitive functionが抽出されることはない。appetitive functionだけでなく、貨幣としての交換機能や尺度機能(価値の物差し)、保存機能(蓄積)なども同様である。要するに、コインの機能というのは、ある文脈のもとで恣意的に設定された関係に基づいて特有の反応の仕方を示すということであるのだが、どこまでを刺激を主語として記述するのか、どの部分は反応の起こり方として記述するのかは難しい問題であるように思う。

 もっとシンプルな例として、レスポンデント条件づけをどう記述するのかについて考えてみよう。もし公認心理師の試験問題で、「次のうち、レスポンデント条件づけの説明として正しいのはどれか?」というような問題が出題されたとしよう。
  1. 当該の刺激(もと中性刺激)が、特定の反応(=条件反応)を誘発する機能を獲得した。
  2. 当該の刺激(もと中性刺激)に対して、特定の反応を起こしやすくなった。
  3. 中性刺激と無条件刺激との対提示を繰り返すことによって、無条件刺激の刺激機能が中性刺激の機能を変換し、特定の反応が誘発されるようになった。
 上記の中で、正しいとされるのはおそらく1.であろう。2.は現象の記述としては正しいが、「特定の反応を起こしやすくなった」と記述すると、オペラント条件づけ、特に弁別刺激のもとで特定の反応が起こりやすくなる現象と混同される恐れがある。最後の3.は、関係フレームを前提とした説明であるが、もしこれが正しいとすると、パヴロフのイヌの条件反射も関係フレームで説明されることになり、人間特有と考えられている言語行動の機能が説明できなくなってしまう。

 もとの話に戻るが、検討課題の3番目の「認知主義的な用語はなぜ受け入れられやすいのか? そのことによるデメリットはどういう点にあるのか?」についても次回以降に取り上げる予定であるが、結論だけ先に言うと、
  • 認知主義的な表現は、要するにある現象の記述についての「般化オペラント」であり、まさに派生的関係反応の一種である。
  • 認知主義的な表現にメタファーが混入することで、分かったような気持ちになりやすい。(=そういう表現を含む言語行動は強化されやすくなる。)
  • 認知主義的な説明の「般化オペラント」としての部分は、ある程度、予測や制御(影響)に有用である。特に、セラピストとクライエントの対話場面など。
  • とはいえ、般化オペラントがどういう条件のもとでどこまで般化するのかを明確にしないままに、認知主義的表現だけに頼ってしまうと、トートロジーに陥っていまい、有用性は失われる。
といった点になるのではないかと思っている【後日、修正する可能性あり。】

 不定期ながら次回に続く。