じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 Star Trek Continuesの最終話の最後のシーン。オリジナルの宇宙大作戦(TOS)のopening creditsで「...to boldly go where no man has gone before. 」となっていた部分を過去形にして、カーク船長の「...and we boldly went where no man has gone ... before. 」という台詞で終わっていた。↓の記事参照。


2018年11月24日(土)



【小さな話題】

「Star Trek Continues」全話視聴完了

 9月26日の日記で、

「宇宙大作戦(TOS)」、人生66歳を前についに全話視聴完了

と述べた。その後、『Star Trek Continues』をオリジナルサイトから英語版で視聴していたが、長期間の旅行などもあってなかなか視る時間がとれず、11月23日になってやっと最後の「To Boldly Go: Part II」の視聴を終えることができた。

 リンク先に、
Star Trek Continues is an American fan-created web series set in the Star Trek universe. Produced by the non-profit charity Trek Continues, Inc. and Dracogen, and initially co-produced by Far from Home LLC and Farragut Films, the series consists of eleven episodes released between 2013 and 2017. The series is an unofficial direct continuation of Star Trek: The Original Series, and emulates its visual and storytelling features to achieve the same look and feel. Those who made the show have said in interviews that the intent was to finish the original five year mission of the show, and this is borne out in the plot lines of the final two episodes.
と記されているように、このシリーズはスタートレックのファンによって創られた「続編」である。8月13日の日記に書いたように、オリジナルの宇宙大作戦(TOS)は視聴率低下や予算削減に伴う質の低下などから第3シーズンの79話をもって打ち切りとなったため、5年間のミッションを完了して地球に戻る場面は描かれていなかった。上掲の画像にもある通り「コンティニュー」の最終話ではエンタープライズがやっとのことでミッションを完了した様子が描かれており、達成感が得られるようになっている。またこの最終話の結末は、映画第一作(TMP)と整合するような設定になっている。

 TOSのファンによって創られたというだけあって、「コンティニュー」全11作はいずれも優れた内容となっていて、TOSを超える傑作と思われるものもあった。主要キャストがTOSと総入れ替えになっているため視聴当初は違和感があったが、カーク船長を演じるVic Mignognaの演技はなかなかのもので、ウィリアム・シャトナー以上であるようにも思えた。スポックやマッコイ、スコット、ウフーラ、スルー、チェコフについては最終話までぬぐいきれない違和感があった。これは、TOSと顔や動作が似ていないためではない。TOSでは各話で、それぞれの登場人物の個性的な特徴が描かれていたが(特にスポックやマッコイ)、「コンティニュー」はストーリーそのものに重きを置いており、カーク船長以外の人物をうまく特徴づけることができなかったためではないかと思われた。

 なお、「コンティニュー」では、全話とを通じてマッケンナ(Elise McKennah)というカウンセラーが登場し、最終話はもちろん、それ以外の回でも重要な役割を担っていた。それはそれで意義深いのだが、新人物が加わったことで、TOSにあったスポックとマッコイの掛け合いシーンが減ってしまったことが、上記の違和感につながった可能性はある。

 『Star Trek Continues』の良い点の1つは、英語字幕が表示できることである。TOSの79作は大部分、二カ国語放送で録画・ダビングしてあるのだが、英語放送に切り替えても発音がうまく聞き取れないところがあった。英語字幕があればそうした不明は解消するし、分からない単語はその場で辞書を引けるので、英語学習には大いに役立つ(私のような隠居人に、今さら英語学習の必要もあるまいが、認知症予防のため、繰り返し視聴したいと思っている。

 全11作の中で特に気に入った作品3つ挙げるなら、以下のようになるかと思う。  このうち第1話と第4話はいずれもTOSの対応する作品の続きを描いたもので、TOSでは納得できない結末であっただけに、これらを視てやっと納得できるところがあった。第9話は、放射線の影響で色が見えない世界に住んでいる人たちが、色が見えるようになってどうなったかという話。いままさに問題になっている移民問題にも関連している。最後のところの、
There is no "them" any more, my dear. Only "us."
という台詞はまことに意義深い。ナショナリズムの本質は、自国民を他国民と区別し、他国民のことを「they (them)」と呼ぶことにある。我々の現実の世界においても、一部の人たちを「彼ら」と呼ぶことはやめて、地球に住む人たちすべてを分け隔てなく「私たち」と呼べる世界が来ることに期待したいものだ。でなければ、地球規模の諸問題は決して解決しない。