じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 日本の領土をすっぽり囲むような外接円と長方形を描いた図。なお元の地図は、内閣官房の公式サイトに基づく。なお外接円の形状や中心は、図法により若干異なるはず。正確には、地球儀のような球体の上に描く必要がある。

2018年9月24日(月)



【小さな話題】

 
チコちゃんに叱られる!第21回「温泉旅館のお菓子」、「日本の中心」、「1グラムの根拠」

 昨日に続いて、9月21日の放送の感想とツッコミ。今回は、
  • 温泉旅館の部屋にお菓子が置いてあるのはなぜ?
  • 日本の中心ってどこ?
  • 1gって何の重さ?
という3つの疑問について感想とツッコミを述べさせていただく。

 まず、温泉旅館のお菓子の件だが、正解は、観光地巡りでくたびれたお客さんが温泉に入る前に「血糖値を上げ立ちくらみなどを防止するため」ということであった。もっとも、到着後真っ先に温泉に入るような場合、直前に甘いお菓子を食べただけで直ちに血糖値が上がるかどうかは疑わしいところがある。むしろ、お菓子と一緒にお茶を飲むことで脱水症状を避ける効果のほうが大きいのではないかと思われる。
 別に、旅館のお土産のお菓子を宣伝しているのではないかという説もあり、部分的にはこれも正解になると思う。旅館到着後は空腹で疲労していることが多く、そのぶん口にするお菓子を美味しく感じるため、売れ行きに貢献することは間違いない。
 番組を視た某家族は「先にお菓子を食べてもらうことで、夕食の消費量を減らすのではないか」という説を口にしていた。確かにバイキング形式の夕食であれば、お客さんが空腹でないほうがコスト削減につながる。しかし、お菓子で満腹になってしまったお客さんは、食欲が低下しているため夕食を美味しく感じなくなる可能性がある。夕食の美味しさはリピーター確保に不可欠であるゆえ、短期的にはコスト削減になっても中長期的には経営にマイナスになるのではないかと思われる。




 次の「日本の中心」論議だが、番組によると「日本の中心」としてアピールされている場所は、青森県から徳島県まで少なくとも全国28カ所あるという。主な根拠は、
  • 日本列島のうち北海道・本州・四国・九州の4島が収まる円の中心
  • 人口分布の重心
  • 子午線の交点
などであるというが、いちばん単純明快なのは、上掲の「日本の領土をすっぽり囲むような外接円」の中心ではないかと私は思う。もっともこの円の中心は本州の南、ちょうと上掲図で「日本国」と書かれているところの「本」の文字のあたりにあるようである。もっとも中心が海の中であるゆえ、自治体の客寄せには使えないようである。なお、この外接円の中心は、「最北端、最南端、最東端、最西端それぞれの緯度または経度を足して2で割った地点」(上掲図の青い長方形の中心)とは若干ずれるようである。また、この外接円の大きさと中心は北方領土を含むかどうかによって若干変わってくるが、竹島や尖閣諸島は最初から円内に入っているため近隣国から抗議を受けることは無さそう。なおネット上では上掲図と同じような画像のほか、各地の「日本の中心」を巡った方々の写真サイトなども公開されており、NHKもこれらを参考にしたものと推測される。

 最後の1グラムの基準が国際キログラム原器により定義されていたことは以前から知っていたが、より安定した定義にすでに変更済であると思っていた。番組やウィキペディアによると、実際にはまだ議論が続いており、2018年開催の第26回CGPMでプランク定数に依拠した新定義が採用される可能性があるという。

 なお、番組の中で、「当初は1辺が10cmの立方体の容器を満たす水、すなわち1リットルの水の重さを1kgとすることから定められたが、水の重さは温度や気圧によって変わるのでキログラム原器に置き換えられた」というように説明されていた。これまた学校で習った通りの内容であるが、リットルの定義については若干の混乱があったようである。【こちら参照。私自身は、1リットルは 1.000028 dm3であると思っており、学校でなぜ端数がつくのか質問したことがあった。】