じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 テレビドラマ「宇宙大作戦」の中で、制作順(日本国内で放送されていない「歪んだ楽園」は除く)としては最も古い「光るめだま」の冒頭シーン(写真上)と、この回の主な登場人物(写真下)。この回ではドクター・マッコイは登場していない。


2018年8月12日(日)



【連載】宇宙大作戦(スタートレック)を振り返る(1)第1話はどれか?

 8月11日の夜、BS日テレで映画「スター・トレック」(2009年、STXI)を放送していた。この映画自体は以前にも観たことがあったが、妻の実家の大型液晶画面で改めて観るとなかなか迫力のある展開であった。

 映画の基になっているテレビドラマの宇宙大作戦(1966年〜1969年、「TOS」、Star Trek: The Original Series)は、私が学生時代、深夜に繰り返し再放送されており、その後、NHKのBS2(おそらく2007年頃の放送、リマスター版)で放送された時にほぼすべての回を録画・ダビングしていたが、スピンドルケースにバラバラに入れっぱなしにしていて視聴する機会が無かった。

 定年退職後、ため込んでいたDVD、BDをジャンル別に整理し、そのうちの7〜8割はシュレッダーにかけて廃棄したが、「宇宙大作戦」シリーズはすべて保存することに決めている。殆どは二カ国語放送としてダビングしてあったので、その気になれば英語学習の教材としても利用できる。

 さて、このオリジナルの宇宙大作戦(TOS)であるが、オープニング・ナレーションで「...これは人類初の試みとして5年間の調査飛行に飛び立った宇宙船USS・エンタープライズ号の驚異に満ちた物語である。...These are the voyages of the starship Enterprise. Its five-year-mission to explore strange new world to seek out new life and new civilizations to boldly go where no man has gone before !!」と述べられているにもかかわらず、調査飛行の出発シーンや、5年後の調査完了&帰還時のシーンは全79話のどの回でも取り上げられていないようである。(冒頭に言及した映画が、カークを船長に任命された実質的な出発シーンとも言えるが、「【映画に】登場する若いカークやスポックは『宇宙大作戦』などに登場したカークやスポックと完全に同一の人物という訳ではなく、異なる量子現実に存在するもう一人の彼らである。」と考えられているようだ。)

 では、実質的な第1回目はどれになるのか? これについては、
  • 制作順
  • 放送順
  • 宇宙暦順
のいずれかで判断せざるをえない。

 リンク先の一覧に記されているように、このドラマは、日本国内では未放送のパイロット版「歪んだ楽園(The Cage)」に続いて、「光るめだま(Where No Man Has Gone Before)」が制作順で最も古い作品となっている。じっさい、この回では、まだドクター・マッコイは登場しておらず、船内の装飾、登場人物の服装、ミスター・スポックやカトーのメイクが少々異なっているという印象を受ける。

 もっとも、ネットで検索したところ、「光るめだま」はパイロット版第二弾に分類されているサイトもある。シリーズの第1話と見なすか、パイロット版と見なすのかは、放送のシリーズ化がどの時点で決定されたのか、あるいは、シリーズ化決定後の作品であったのか、といった基準で判断すべきであるとは思うが[]、TOSはあくまでカーク船長、スポック、マッコイの3者が活躍するドラマであるという観点から言えば、マッコイの登場していない回は内容的にみてパイロット版に分類されることのほうが妥当であるようにも思う。
]ネットで検索したところ、こちらに以下のような記述があった。
深遠なストーリーの「ザ・ケイジ」を見たTV会社の重役たちは、これでは大衆に受け入れられないがもう1作試作をつくるチャンスを提供しました。そして完成したのがこの「光るめだま」です。 重役たちのOKを得て、いよいよ「宇宙大作戦」TVドラマが軌道に乗りました。


 制作順で3番目にあたる「謎の球体(The Corbomite Maneuver)」はカーク船長、スポック、マッコイの3者が登場しており、実質的なシリーズ第1話といっても良さそうである。但し、オープニング画面の配役のところにはまだ、ウィリアム・シャトナーとレナード・ニモイの2人だけしか表示されていなかったと記憶している(どの時点からデフォレスト・ケリーの名前が追加されたのかは未確認)。

 次に放送順に並べた場合であるが、アメリカ本国では惑星M113の吸血獣(The Man Trap)が第1話となっている。この回に登場するナンシー(実際は吸血獣の変身)はかつてマッコイと恋仲であったという設定になっており、マッコイが多く活躍する回となっている。

 このほか、リマスター版では「宇宙基地SOS(Balance of Terror)」が第1回放送となっているが、なぜ1回目に回されたのかについては未確認。

 もう1つ、宇宙暦順に並べた場合については、こちらに詳細かつ正確な考察があった。これによると、宇宙暦(英語版)では、「歪んだ楽園」、「光るめだま」、「恐怖のビーナス」、...という順になっている。なお日本語版の「宇宙暦 04.何とかかんとか」という日付はかなりいい加減であると言われている。

不定期ながら次回に続く。