じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 2018年5月のウォーキング総括。2018年5月は、総歩数23万1996歩、1日あたり平均7484歩となり、在職中の基準値1万2000歩どころか、定年退職後の暫定基準として設定していた1万歩以上も維持することができなかった。特に病気で寝込んだわけでもないが、日々の数値を意識せずに気の向いた時だけ歩くようにしたところ、結果的に大きく落ち込んでしまった。なお5月6日には「29歩」という最低記録を更新しているが、これは妻の実家のある北九州で、一日中雨が降っていたために外出を見合わせたことによる。

 徒歩通勤を止めたことで1日平均1万2000歩は達成困難となったが、あまり歩数を減らしすぎると、メタボや脚力低下といった弊害が生じる恐れがある。せめて1日あたり9000歩を維持できるように習慣化を再構築したいと思う。


2018年5月31日(木)


【小さな話題】

雪男の正体と予言テクニック

 5月24日にNHK-BSプレミアムで放送された、

幻解!超常ファイル 謎の獣人を追え!2「雪男“イエティ”を求めヒマラヤへ!」

を録画再生で視た。この放送は「シリーズ毎週一挙アンコール!」企画であり、ウィキペディアでチェックしたところ、2015年3月に20分版が前後編2回に分けて初回放送されており、これに信州大・菊池先生の予言テクニックコーナーを追加して60分版として構成されたことが確認できた。

 番組によれば、イエティは、カトマンズなどの都市では、観光企業の名前にはなっているものの、現地の人々には殆ど話題になっていないという。その中で最もイエティ伝説が残っているのは、私自身もトレッキングで訪れたことのあるエベレスト山麓の村(サガルマータ国立公園)である。

 もっとも、番組でも指摘されていたように、イギリスのエベレスト登山隊がイエティを未確認動物にして資金を集めたり、現地人に想像図を配って目撃情報に褒賞を与えるなどしたためにイメージが固定化されたり、というように人為的にあおられた可能性が高い。また、ネス湖のネッシーなどもそうだが、何らかの巨体動物が地球上で生き残るためには、それを保つための食糧資源のほか、繁殖を維持するための個体数が確保されなければならない。ヒマラヤの高所ではその可能性はきわめて低い。そういえば少し前に

小野田さんと、雪男を探した男〜鈴木紀夫の冒険と死〜

という番組を視たことがあるが【6月2日に再放送があるようだ】、小野田さんが長期間生き延びていたジャングルでは、身を潜めたり、(現地の村から盗み出すことを含めて)食料を確保したり、適度な気温の範囲で生活できるだけの環境条件が整っていた。ヒマラヤの山中ではそれらは全く不可能であり、いかに「信じる」ことが大切であったにしても、科学的な見通しを持たずに命をかけて探し回るというのはやはり無理があったような気がしてならない。【ユキヒョウのように標高6000メートルでも生息する動物もいることはいるが。】

 番組を見て驚いたのは、ルクラからタンボジェに至る道沿いの景色であった。私がトレッキングに参加した1978年12月末の時点では、ルクラは石ころだらけの原っぱで、大きな籠を背負った裸足の少女が仕事をしている姿が印象に残っている。今回見た画像では、ルクラには観光客向けの店が建ち並び、土産物やトレッキング用品などを売っていた。

 なお、リンク先に掲載した写真(男性がかぶっている帽子)にもあるように、私自身もクムジュンで、雪男の「頭皮」なるものを見せてもらったことがある。当時はグループ全体で4000円程度払って写真を撮らせてもらったが、今回の取材では撮影料500ドルというからスゴイぼったくりのようにも思えた(但し、このお金は現地のインフラ・生活向上に役立てられるという。) ちなみに、この「頭皮」はカモシカの毛皮であることが確認済みとなっている。

 番組の終わりのほうでは、菊池先生による予言テクニックの紹介があった。その中で、「相手の心を読む」手品はなかなか興味深い。【以下、一部改変】

●左の手のひらに1円玉、10円玉、100円玉各1個を載せて、そのなかから2枚を取ってもらう。右手には10円玉1枚を握っておく。(この時点では相手には見せない。)
  • 相手が1円玉と100円玉を選んだ時(つまり、10円玉が残された時)には、右手を開いて、「ほら、あなたが10円玉を残すことは最初から分かっていた」という。
  • 相手が10円玉ともう1枚(1円もしくは100円のうちの1枚)を選んだ時は、「今取った2枚のうち1枚を戻してください」という。
    • 相手が10円玉を戻した時には、右手を開いて、「ほら、あなたが10円玉を戻すことは最初から分かっていた」という。
    • 相手が10円玉以外を戻した時は、相手が残している10円玉を指さして右手を開き、「ほら、あなたが10円玉を残すことは最初から分かっていた」という。

 この種のテクニックは血液型性格判断でもしばしば使われている。それぞれの血液型についていろいろな特徴を列挙しておき、相手が○○型だと分かった時に、「○○型の特徴」と言われるリストの中からその相手の特徴に一致する部分だけを抜き出して「あなたは○○型だからこういう特徴がある」とか「やっぱりあなたは○○型ピッタリの性格だ」などと信じ込ませてしまうのである。

 菊池先生が他の事例でも示していたように、「当たった」とされる予言の多くは、対象や時期が曖昧で、事後的にこじつけやすいように作り上げられている。例えば、「今年の夏には大きな水害が起こるでしょう」という「予言」は、その夏にどこかで起こった一番大きな水害にこじつけることができる。大地震や火山噴火の「予知」も同様。さらに昨今では世界情勢が渾沌としているため「今年は大きな政治の動きがあります」と予言しておけば、どこかの国の政変にこじつけて確実に「当たった」とも言える。ま、じっさいの「予言」は、上掲のコイン選びのテクニックと同じようにもう少し巧妙にできている。