じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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  • A:5月18日の気象データ表に書き込まれていた雷の記号。
  • B:日本式天気記号。
  • C:気象庁の過去の気象データ記録で使われている記号
  • D:国際的に定義された自動観測所用の天気記号(00から99まであるらしい)。

 下の記事参照。


2018年5月19日(土)


【小さな話題】

「雷」の記号は?/天気図

 5月18日の夜、岡山では珍しい雷雨となった。翌日、どのくらいの雨が降ったのかを気象庁の過去記録で調べたところ、21時の欄に見慣れない記号が記されているのが目にとまった。【上掲のAの画像参照】 天気記号表(目視による観測の場合)の説明を見ると、これが「雷」を表す記号であるようだ。

 雷の記号と言えば、確か、円の下半分が黒く塗られている記号ではなかったかと思って調べたところ、上掲の画像Bに示すように、私の記憶に間違いの無いことが確認できた。ウィキペディアの「雷#日本式天気記号」のところにも円の下半分が黒く塗られた記号が紹介されている。

 どのような経緯なのかは分からないが、過去記録などでは下半分が黒の円ではなくて、Rの文字の右下が矢印になっているような別のマークが使用されているようであった。

 ネットで調べると、私が小中学生の頃に覚えた天気記号はあくまで日本式であり、国際式天気図とは異なっている。理由は「国際式天気図は表現する要素が多いためわかりにくく、その代わりとして一般向けには簡易化した天気図が用いられることが多い。その中でも、日本式天気図は表現する要素が天気・風向・風力と3つに絞られるため、見やすくわかりやすいとされる。新聞などにも掲載されているため、国際式天気図に比べて、一般的にも広く親しまれている。」ためであるという。

 私が中学生の頃は、理科の授業で天気図が扱われていた。また私自身は「地学・天文・気象」のクラブに属していたため、趣味で天気図を描くことがあり、気象庁の庁舎(気象協会)まで通って、気象通報の原稿を閲覧させてもらったことさえあった。

 いっとき、理科教育で天気図を扱わなくなったというような話を聞いたことがあるが、ネットで検索したところ、こちらに、
  • 平成元年以前の学習指導要領(文部省,1978)では,天気図作成が含まれ,天気図そのものを学習するとともに,それを天気の予測につなげる位置づけがなされていた。
  • 平成10 年改訂の中学校学習指導要領(文部省,1998)では,「日本の天気」が削除され,天気図についての記述も無くなった。教科書には天気図についての最小限の記述が残されていた。
  • 現行の中学校学習指導要領(文部科学省,2008)では,「日本の天気」についての内容が復活し,それに伴い天気図の扱いも明記された。しかし,それは平成元年改訂以前の学習指導要領にあった天気図の作成ではなく,気団と関連づけて「日本の天気」の特徴を捉えるための手段としての位置付けとなっており,天気図の作成までは踏み込まれていない。
となっていて、現在では授業で天気図が扱われるものの、以前ほどには重視されていないようにも思われた。

 地球温暖化の影響なのか、最近では、台風についての過去の常識「台風は6月〜7月は日本には接近しにくい、8月は迷走しやすい、9月は強い台風が直撃しやすい、10月以降は日本には接近しにくい」が成り立たなくなり、四季や梅雨どきの典型的な気圧配置とは異なるパターンが時季外れに見られることもあり、天気図に関する試験問題も出しにくくなっているとは思う。

 とはいえ、単なるスマホのお天気マークではなく、天気図に基づいて、どのような気圧配置や前線によって天気が変わりつつあるのかを把握しておくことは大いに有用。