じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 1月31日夜、薄曇りの中、皆既月食を眺めることができた。
 私が初めて皆既月食を体験したのは1963年12月30日、小学5年生の時であり、冬休みの自由課題として観測記録をまとめたことがあった。月食は半影月食も加えれば、1サロス(18年と11日と8時間)の間に38回の月食があるということだが、夕食後のウォーキングの最中、私が初めて見た1963年の月食と今回の月食は同じサロスに属するのではないかということに気づいた。帰宅後に調べてみると、サロス124の月食は、
  • 1963年12月30日 (夕食後の時間帯)
  • 1982年1月9日 (日本では月の入りの時間帯)
  • 2000年1月20日 (日本では日中のため見えず)
  • 2018年1月31日 (夕食後の時間帯)
となっていて、やはり同じサロス(=サロス124)に属しており、18年と11日と8時間ずつズレていることも分かった。
 ちなみに、月食ではなく日食が属するサロス124としては、1958年4月19日の金環日食があり、確かこの時は、生家の庭で、細長くなった太陽や、手のひらの影が二重になるといった現象を確認した記憶がある。

 なお、このこちらによれば、サロス124は戦後見られた皆既日食と金環皆既日食以後、全て部分日食しか見られなくなる後退期型の日食であるとのことだ。ま、どっちにしても、サロス124がもたらす次の日食や月食が見られる頃まで生きていられるかどうかは微妙[]。
]サロス124がもたらす次の月食は2036年2月11日であるが、日本では見られない。

2018年1月31日(水)


【思ったこと】
180131(水)自分とは何か(7)視点取り(3)

 昨日に続いて、

Barnes-Holmes, Y., McHugh,L., & Barnes-Holmes, D. (2004). Perspective-taking and theory of mind: a relational frame account. The Behavior Analyst Today, 5, 15-25.

に紹介されていた、「心の理論(Theory of Mind、ToM)」の立場から開発された、自閉症児向けの視点取りプログラムの紹介。
  • レベル4:True beliefs and predicting actionson the basis of a person’s knowledge/獲得した知識に基づく正しい信念と行動の予測
    • 人形が遊んでいる2つの場面を子どもに見せる。
    • うち1つは、人形がおもちゃのボートのそばに居る場面であり、朝の出来事であると教示された。もう1つはおもちゃの飛行機のそばにいる場面で、こちらは後で起こる出来事であると教示された。
    • 子どもはさらに次のように教示される。「きょうの朝、あなたはボートのそばでお人形さんを見ました。飛行機のそばでは見ませんでした。お人形さんはどこに居ると思う?」この正解は「ボートのそば」である。もし「なぜボートのそばにいると思う?」と尋ねられたとしたら、「そこでお人形さんを見たから」というのが正解となる。さらに「お人形さんを見つけようとしたらどこに行く?」と尋ねられた場合は、「ボートのそばを探す」が正解となる。最後に「なぜボートのそばに行くの?」と尋ねられた場合は、「お人形さんがそこに居たことがあったから」が正解となる。
    • 心の理論の視点から言えば、質問に正解を出せるということは、「人は実際に見たことに基づいて質問に答えること、あるいはそれ(正しい信念)に基づいて行動することが正しい反応であるとされる。


  • レベル5:False belief and predicting actions on the basis of beliefs that are false rather than true/誤った信念に基づく行動の予測
    • 子どもは、宝石箱を見せられ、「この宝石箱の中に何が入っていると思う?」と尋ねられる。
    • 箱の中を見ないうちは、子どもは宝石が入っていると思う、と答えるだろう。
    • ところが、意外なことに、中に入っていたのは宝石ではなくキャンディであった。
    • そこで「箱の中を見る前、何が入っていると思っていた?」と尋ねる。正解は宝石となる。
    • そこで今度は「本当は何が入っていた?」と尋ねられる。正解はキャンディ。
    • さらに、他者(例えば人形)を登場させて、同じように質問する。


 以上、「心の理論」では、直接目に見える場面での視点から誤信念に基づいて行動する段階に至るという形で視点取りの発達プロセスを考えている。

 本論文では、続いて、RFTに基づくアプローチが紹介されている。RFTでは、視点取りがうまくできるような関係レパートリーを詳細に特定するというアプローチをとる。視点取りの発達は、話者の視点を特定するような指示詞のフレーム群に対応するような反応の複雑さを高めることに基礎を置いている。これが要するに、「I and YOU」、「HERE and THERE」、「NOW and THEN」の組み合わせということになる。

不定期ながら、次回に続く。