じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 1月13日の朝はよく晴れ、木星と火星と月のほか、南東の空の低いところに土星と水星が並んで光っているのが見えた。水星と土星は13日の15時48分に0°39′まで接近する。低い位置にあって見えにくいため、こちらのリストには挙げられていない。

2018年1月12日(金)


【思ったこと】
180112(金)関係、対応づけ、文脈をめぐる議論(14) 対応づけと包含性

 昨日挙げた例の中に、「この動物園では、ゾウ、キリン、ライオン、シマウマが飼育されています。カバやサイは飼育されていません。」というのがあった。挙げられた動物名には、鉄道の駅名のような順序性は無いが、「この動物園」という特定の文脈のもとでは一定の関係反応を派生する。例えば、「ゾウ」の写真を見せて、「キリン」と「カバ」の中から選んでもらうという課題では、「キリン」のほうが選ばれやすくなるかもしれない。これは「同じ動物園で見られる動物」という関係において「動物園」に包含されている。いっぽう、「サイ」を見せて「ライオン」と「カバ」から選んでもらう場合は、「カバ」のほうが選ばれやすくなるかもしれない。こちらのほうは「この動物園では見られない動物」という関係になる。

 包含関係は、都道府県や市町村などで考えると分かりやすくなる。例えば、
  • 世田谷区(A)は東京都(B)に含まれる。【A→B】
  • 東京都(B)は関東地方(C)に含まれる。【B→C】
ということを教わると、
  • 東京都(B)の中には世田谷区(A)がある。【B→A】
  • 世田谷区(A)は関東地方(C)に含まれる。【A→C】
といった関係反応が派生される。

 もっとも、派生的関係反応はそれにとどまるものではない。上記に加えて、

●目黒区(D)は東京都(B)に含まれる。【D→B】

を教わると、世田谷区(A)と目黒区(D)の間にも、「同じ都道府県内にある」という関係が派生される。このあたりは、相互的内包と複合的相互的内包だけで説明できるのか、それとも、包含に関する別のフレーム(「包含フレーム」)というような別の般化オペラントクラスを考えるべきなのか、考えてみる必要がある。

 なお、昨日挙げた「順序性」の場合も、今回の「包含性」の場合もそうだが、あまり複雑な関係の場合は、「派生的関係反応」ではなく、「推論のスキル」というような別のジャンルで検討していったほうがよいかもしれない。もし、何でもかんでも派生的関係反応だけでつなぎ合わせることができるなら、ある種の数学の体系は、苦労して勉強しなくても身についてしまうだろう。