じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 数に興味を持たせようと思って、100円ショップで電卓(300円+税)とトランプカード(100円+税)を買ってきた。ところが、孫は、トランプを垂直に立てて電卓のキーの間にこすりつけてから「ありがとうございます」という遊びを始めた。初めは何のことかと思ったが、クレジットカード払いで買物をする時のレジ係の動作を真似たごっこ遊びであることが分かった。

2018年1月4日(木)


【思ったこと】
180104(木)関係、対応づけ、文脈をめぐる議論(8) 対応づけと関係づけ(2)

 昨日の続き。

 「関係づけ」の代わりに「対応づけ」という呼称を用いることのいちばんのメリットは、相互的内包が派生されるということをうまく説明することにある。日常生活の中で関係という言葉は「相互の関係」という意味に使われることが多いので、「AをBに関係づける」と言ってしまうと、最初から相互的内包が前提にされてしまう。いっぽう、「AをBに対応させる」という表現は、「A→B」という一方通行の矢印を伸ばすような行動を思い浮かべるはずだ。それゆえ、「A→B」という訓練が行われた後で「B→A」という対応づけが勝手に起こりやすくなったとすれば、これは面白い現象であるということに気づくはずである。

 もっとも、形式上は対応づけであっても、実際は関係反応になっていない場合がある。何が対応づけで、何は対応づけでないのかという点を例示しておく必要がある。
  1. 食堂街を歩いている時、ウナギを焼くニオイがしてきた。そのニオイが流れてくる店に入って鰻丼を食べた。この場合、ウナギを焼くニオイとウナギ屋に入る行動は対応づけと言えるか?
    • 一般的には、対応づけとは言えない。ウナギを焼くニオイが弁別刺激となってウナギ屋に入店するという単純な弁別行動と言える。ウナギを焼くニオイは、いろいろな食べ物の中でウナギを食べたくなるという点で確立操作になっている可能性もある。
    • もし、警察犬を使った捜査のように、食堂街の入口でウナギのニオイを嗅いだあと、どの店からそのニオイが発せられているのかを探し当てるというのであれば、対応づけにはなるだろう。
  2. 見本刺激として「●」と「●」が呈示された時には「YES」のボタンを押し、「●」と「▲」が呈示された時には「NO」のボタンを押すのはどこが対応づけになるのか?
    • まずは、「●」と「●」、あるいは「●」と「▲」を相互に比較することが、相互の対応づけになっていると考えられる。その上で、「●●→YES」、「●▲→NO」という、タクト型の対応づけが求められているので、二重の対応づけになっている。
    • 見本刺激が常に横並びに呈示されている場合、「●●」や「●▲」は1つの図形刺激になっている可能性がある。この場合、その図形刺激が左右対称かどうかを手がかりに反応することもできるが、これは相互比較とは言えない。「●●」は左右対称、「●▲」は非対称の図形であり、これらに対応して「YES」や「NO」という反応をしている可能性がある。「●」や「▲」をスクリーン上のいろいろな位置にランダムに呈示している場合はこの問題は生じない。


 次回に続く。