じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 生協食堂の入口に「松岡スペシャル丼」の案内があった。松岡くんを中心に考案した丼ということで、一度食べてみたいものだと思ったが、2日前に注文した「味噌豚丼」(但しSサイズ)が同じものであり、すでに食べていたことが分かった。


2017年12月20日(水)


【思ったこと】
171220(水)関係、対応づけ、文脈をめぐる議論(1)

 4学期の「行動分析学入門」の最後のあたりで、関係フレーム理論の紹介をすることになっているが、前年度までの説明ではなかなか理解してもらうことができず、どうすれば分かりやすく説明できるのか、いろいろ考えている。

 その中で、関係フレーム理論の入門書どおりの説明では、「関係」という言葉が、「複数の刺激間の相対的特徴」という意味と、「ある刺激と別の刺激を対応づける」という意味のあいだで混同され、かつ、日常生活で当たり前のように扱われている前提が暗黙のうちに混入し、真の理解を妨げているのではないか、と考えるに至った。

 「見本合わせ課題」を例示する中で、「複数の刺激間の相対的特徴」と「対応づけ」の区別について考えていきたいと思う。

 まず、タッチパネル画面の上部に「A」という刺激(見本刺激)が呈示され、画面の下部に選択刺激(比較刺激)として「A」と「B」が横並びに呈示されたとしよう(左右の位置はランダム)。そして、「A」をタッチすれば正解となり強化され、「B」をタッチすれば不正解となる。

 上記は、選択刺激の中から見本刺激と「同じ」ものを選ぶ課題であるとされているが、厳密に言えば、「同じモノを選べば正解」という文脈のもとで()、上部の「A」と下部の「A」を対応づけているのである。
]強化の随伴性として設定されるほか、人間では「同じモノを選んでください」という言語的教示(ルール支配行動)として与えられる場合もある。

 文脈と対応づけの区別は、タッチパネル画面の上部に「A」という刺激(見本刺激)が呈示され、画面の下部に選択刺激(比較刺激)として「A」とは異なる「C」と「D」が横並びに呈示された時に明白になる。つまり、それらのどちらを選ぶのかは、与えられた文脈による。例えば、「A」が犬の写真、「C」が「イヌ」という文字、「D」が「ネコ」という文字であったとする。この場合に、「C」を選ぶのは、日本語で、犬の写真に「イヌ」という文字列が恣意的に関係づけられているからに他ならない。さらに上記で、「C」に肉の写真、「D」に人参の写真を配置したとしよう。この場合、「見本刺激の動物の食べ物を選んでください」という文脈であれば、「犬の写真→肉」が正解で、「犬の写真→人参」は不正解となる。留意すべきことは、犬の写真と、犬が食べる肉は同じモノではないということだ。

 次回に続く。