じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 津島東キャンパス・野球場南にあるユッカ(たぶん、アツバキミガヨラン)が白い花をつけている。その上のセンダンの枝ぶりは水墨画風の構図に似ているように見える。


2017年12月13日(水)


【思ったこと】
171213(水)加齢に伴い向上・維持する能力を発掘する(8)高次精神機能の可塑性を支えるもの(2)

 12月12日の続き。

●高次精神機能の可塑性を支えるもの

という話題提供の終わりのあたりでは「知恵」が取り上げられていた。

●Baltes,RB. & Staudingen, U.M. (2000) Wisdom:Ametaheuristic(pragmatic) to orchestrate mind and virtue toward excellence. American Psychologist, 55, 122-136.)

からの引用によると、ワーキングメモリに関する能力は加齢とともに確実に右肩下がりで衰えているが、知恵(Wisdom)のほうは加齢による衰えは軽微であり、かつ個体差が非常に大きいという特徴があるというものである。

 さらに、「社会的・知的な取り組みへの参加」の重要性が論じられていた。細かい部分は聞き逃してしまったが、要するに、他者の異質な考え方を取り入れ、他者視点に立ってみたり、それまでの自分の考えと比較したりすることが、英知を獲得するプロセスとして重要ということらしい。【鈴木(2016)の引用を改変】

 上掲の「社会的・知的な取り組みへの参加」とも関連するが、45歳から70歳代の英知得点は、2人で話し合ったのち、内省する時間を設定した条件で大きく上昇するという研究もある。

 これらをふまえて、「補償となる足場かけ」としての「メタ認知と知恵」、「足場づくりの促進」としての「社会的・知的取り組みへの参加」が今後の検討課題になるというお話であった。なお、最後のところは、何をもって何をどう変えるかという因果的な道筋がイマイチ理解できなかった。

 次回に続く。