じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 日本行動分析学会第35回年次大会の学会企画シンポジウムで長谷川が提唱した出版企画。↓の記事参照。

2017年10月11日(水)


【思ったこと】
171011(火)日本行動分析学会第35回年次大会(3)超高齢社会における行動分析学(1)

 日曜日の朝、表記のタイトルの学会企画シンポジウムが開催され、私も話題提供者として登壇させていただいた。企画者、司会者、話題提供者、指定討論者の氏名や、企画の趣旨は当面、こちらから閲覧できる。【近日中に、毎回の年次大会の公式のデータベースのほうで公開される見込み。】

 シンポでは、3番目に私自身が登壇した。私の話題提供ではまず初めに、私自身は高齢者研究の専門家ではなく、じっさい、CiNiiで「長谷川芳典 高齢者」で論文検索しても7件(実際は重複があり6件)しかヒットしないことをお断りした上で、それにも関わらず私が登壇する意義があるとすれば、私自身が来年の3月で定年退職となることから、自分自身の問題として高齢者問題を語れるという点にあるのではないかと述べた。じっさい、高齢者研究は、若い世代の研究者がお年寄りにインタビューしたり、行動分析的介入をしたりして、横断的に取り組むことが殆どであった。これらは第三者的な視点からの研究であり、もちろんそれも大切であるが、それだけでは足りない。当事者自身が一人称の視点で語ることも必要であり、今回の私の話題提供もそのように意義づけていただきたいとお話しした。

 さらに、高齢者の生活は、本人の健康状態、家族関係、経済的条件などによって多種多様であるゆえ、大勢の人たちの量的データの平均値で語るだけでは不十分である。むしろ、実際に高齢になった行動分析学者たちが、一人称の視点からそれぞれの生活に行動分析学をどう活かしているのかを語り【←自分を飾るために嘘をつく人もいるかもしれないので、お亡くなりになったあとで遺族の方々から、ホンマにそういう生活をしていたかどうかを証言してもらう】、それらを↑のような論文集としてまとめれば、結果的にその内容こそが、多様な高齢生活における行動分析学の活用事例集になるのではないか、というのが提案の趣旨であった。

次回に続く。