じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 自宅のインターネット回線が突然使えなくなり、ひかり電話も不通となった。さっそく携帯を使ってNTT西日本に電話して、指示された通りに点検したところ、モデムの故障が原因であることが分かった。新しいモデムは翌日の午前中に配達され、24時間以内に復旧することができた。妻が応対したのではっきり確認できていないが、どうやら新しいモデムの配達は、宅配業者ではなく、NTT専属の配達員(電報配達員)によって届けられた模様。このあたりの対応は、他の格安回線業者よりは遙かに速い。

2017年10月03日(火)


【思ったこと】
171003(火)ボーム『行動主義を理解する』(79)ルール支配行動と思考(2)

 10月2日に続いて、

ボーム(著)森山哲美(訳)(2016).『行動主義を理解する―行動・文化・進化―』 二瓶社.

の話題。

 前回も取り上げたように、ルール支配行動を理解するためには随伴性形成行動との区別が重要となる。本書では、随伴性形成行動の中にも、たった一回で生じるような「暗に形成される行動(implicitly shaped behavior)」の例が挙げられている。他者を必要とせずにたまたまうまくできて身についた行動は、外見的には、ルール支配行動と同様に、経験無しにパッと形成されているように見えるが、言語弁別刺激の制御を受けていないという点でルール支配行動とは言えない。但し、日常生活で身につける行動は、大概は教わることから始まっているため、純粋に「暗に形成された行動」の例はそう簡単には見つからないと述べられている。

 「暗に形成される行動」は、「方法について知る」という手続的知識と一致しているが、ひとたび行動が形成されると、行動とその結果について語れるという、ある種の宣言的知識を獲得できるようになる。

 ルール支配行動は、しばしば、タクトされた随伴性に基づく行動というように説明されるが、随伴性は、行動の直後に結果が随伴(=反応と強化子の接近)という意味でも使われるため、本書ではその誤解を避けるために「強化関係」という言葉が使われている。巨視的な立場からみると、この強化関係には、「種をまけば収穫がもたらされる」といったかなり長期的スパンにおける「活動と結果」も含まれている。ちなみに、翻訳書213頁のところでは「行動と結果」ではなく「活動と結果」と訳されていたため、念のため、英語原版(但し2017年第3版)を参照したところ、
When we are talking about operant behavior, as we are now, a "reinforcement relation" means a relation between activity and consequences. Planting seeds leads to cropsd―that is a reinforcement relation. We saw in chapter 4 that every reinforcement relation can be summarized by a statement of the form. If this activity occurs, then this consequence becomes more (or less) likely. If you plant seeds, then crops become more likely. If you carry an umbrella, you are less likely to get rained on.
というように「a "reinforcement relation" means a relation between activity and consequences.」となっていて、やはり「activity(活動)」という用語が使われていた。私自身は、ひとまとまりの複数の行動を長期的、包括的に捉えるラベルとして「活動」概念を提唱しているが、その趣旨と一致する使われ方であるように思えた。

次回に続く。