じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 昨日の日記で、7月1日から30日までの間で一度も猛暑日が出現していないという話題を取り上げたが、7月31日には最高気温が36.3℃まで上がり、「7月猛暑日ゼロ」という記録にはならなかった。なお前日から予想されていた通り、夕刻には雷雨があり、気温は一気に5℃以上低下した。

※写真右下は、生協マスカットユニオン入口に掲示された「33℃を超えたら2割引」セール。

2017年7月31日(月)


【思ったこと】
170731(月)行動分析学の用語統一議論(1)

 7月31日、日本行動分析学会の公式サイト用語についてのパブリックコメントを求める記事が掲載された。リンク先に記されているように、その背景として、
  1. 「行動分析学事典」の刊行に際して、行動分析学用語の整理が必要であること。
  2. 近々開始される公認心理師の国家試験に関わって、日本行動分析学会として行動分析学に関する学術用語の整理が必要と考えられること。
がある。用語の統一問題については、私が実行委員長をつとめた2006年岡山大会でも提案させていただいたことがあるが、これまでのところ、用語に不統一があっても大きな混乱を招くほとではなかった。しかし、公認心理師の国家試験、およびそのために準備されている「行動分析学事典」の刊行においては、用語使用の標準化をはかることはどうしても必要と思われる。今年度での引退を表明している私ではあるが、一言二言、パブリックコメントに投稿させていただくことにしたいと思う。

 今回の検討にあたっては、まず基本指針として、
  1. 可能なかぎり現代仮名遣いの日本語表記を目指す。外国語のカタカナ表記はなるべく避ける。
  2. 歴史的経緯から、複数の用語(訳語)がある場合には、誤解が生じ難く正しく理解されると思われる用語を選ぶ。
  3. 既存の権威に依拠するのではなく、今後将来の行動分析学の発展に資する用語を選ぶ。
  4. 用語の検討には、会員からの意見を求める手続きを含めることとする。
が挙げられている。
 このうち、1.の「カタカナ表記はなるべく避ける」という点は私も同感である。但し、日本語表記はどうしても日常用語としての意味が混入してしまい、一般向けに広く使用されるようになると、誤用される恐れがある。とりわけ、心理主義的な印象を与える表記については避けるほうが賢明であろう。3.の「既存の権威に依拠しない」というのは、かつて大御所が提案した用語であっても、それよりも適切な用語がある場合はバッサリと改訂するということであろう。

 ということで、まずは一期分のリストが公開されている。この中で、私が特にコメントさせていただきたいと思っているのは、「好子か強化子か」、「嫌子か弱化子か」である。このほか「ルール支配行動」や「反応コスト」についても意見がある。リストには、かなりのカタカナ表現が含まれているが、大部分は専門用語としてすでに定着しており、今さら改訂する必要はないような印象を受ける。(例えば、強化スケジュールなど。)

 次回に続く。