じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



07月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る


 座主川沿い、理学部南の川縁に配置されているブロック。先日、知り合いの先生から伺ったところでは、セミの穴の分布を調べるために置かれているとのこと。その先生のお話によれば、セミは何年ものあいだ地中で暮らしているが、地上に這い出る時には7cmくらいの縦穴を掘る。掘った土は塗り固められるため、アリの巣のように地上に排出されることはない。また、地中の水分や根のヌルヌル感などから、ある程度地上の天気を予測することができるらしい。(セミは雨が降っていると羽化できない。)
 なお、岡大構内では18日、クマゼミやニイニイゼミに混じって、ツクツクボウシの初鳴きが確認された。


2017年7月19日(水)


【思ったこと】
170719(水)厳しい経営続く池田動物園

 NHKのローカル番組「もぎたて」で、岡山市内にある池田動物園の話題が取り上げられていた。

 リンク先にも記されているように、池田動物園は、元岡山藩主池田詮政の孫池田隆政と昭和天皇の第四皇女池田厚子夫妻により1953年(昭和28年)2月に株式会社池田産業として設立され、その後池田産業動植物園を経て1960年(昭和35年)に現在の池田動物園となった。現在、120種類550匹の動物が飼育されており県内最大の動物園となっている。

 しかし、入園者数はピーク時20万人近くから10万人余りに減少し、3年連続赤字、負債は2億5000万円となり存続が危ぶまれているという。また、飼育されている大型動物のほうも高齢化が進み、一番の人気者だったゾウのメリーは昨年死亡、ベンガル系トラのヒロは国内最高齢で人間で言えば100歳、アミメキリンのモモカは80歳に相当しているという。檻を増やす資金が無いため、繁殖もできない。このほか、人件費削減のため、職員数はわずか9人で他の動物園の標準の半数近くとなっていて、飼育員1人で20種類の動物の餌やりと掃除に追われている。さらに、季節により、値段の安い野菜で代替して餌代を節約したり、飼育舎の掃除の際にも水道代節約のために洗い方に気を配っているという。

 入園者が減った理由としては、入園料が大人1080円、子ども648円と、比較的高額であることも挙げられていた。いろいろなイベントを企画しているが入園者増加にはつながっておらず、現在、岡山市に対して公営化によって施設を改修し魅力向上を要望している。これに対して岡山市のほうでは、動物園の重要性は理解しているものの、動物園主体で将来像を考えて欲しいと対応しているという。

 番組の終わりのところでは、閉鎖された民営動物園を公営化した例として、北九州の到津動物園(現在の名称は「到津の森公園)が挙げられていた。北九州の場合は、用地購入や施設のリニューアルなどに84億円、また、管理を委託する業者に指定管理料として毎年約8000万円を支払っているという。

 以上が番組の概略であるが、そう言えば、私自身が池田動物園を訪れたのは、子どもたちが幼稚園か小学校の頃に数回程度。近隣であるにもかかわらず、30年近く御無沙汰のままとなっている。

 今回の放送で驚いたのは、池田動物園の飼育頭数の多さと、狭い檻に動物を監禁飼育するという旧態依然の飼育スタイルであった。

 北九州の到津の森公園は、妻の実家に帰省中にウォーキングを兼ねて何度か訪れているが、ここの広さ(整備面積)は約10.6ha、飼育動物の数は約100種500匹となっている。池田動物園は7.9ヘクタールの中で到津を上回る120種類550匹を飼育しているようである。【こちらに資料あり。】。到津には居ない、バイソン、アメリカバク、カビバラ、エゾヒグマ、マゼランペンギン、メガネカイマンなどが飼育されている点は、魅力ではあるものの、そんなにたくさん無理して飼わなくてもいいのでは、飼育コストが比較的安い人気動物だけに絞ってもいいのではという気がしないでもない。

 例えば、コストのかかるキリン、チンパンジー、猛獣類まで飼う必要はない。子どもたちの人気がありそうなカピバラやプレーリードッグ、ミーアキャットなど、あるいは愛玩動物や、ヤギやポニーでもいい。また、とにかく、伸び伸びとした飼育環境が求められる。【こちらこちらの恵まれた環境参照。】

 入園料自体は、到津の森公園の大人800円、中高生400円、年間パスポート(あるいは3ヶ月パスポート)などの料金と同額が望ましいだろう。さらに、京山一帯の園地を家族で楽しめる場として整備する必要がある。岡山市の人口規模であれば、十分に集客が見込めるはずなのだが...。