じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 岡大構内では、ソメイヨシノに代わって、八重桜やハナミズキが見頃となってきた。

2017年4月16日(日)



【思ったこと】170416(日)関係フレーム理論をめぐる議論(12)刺激機能の変換とレスポンデント条件づけ(2)

 昨日も引用した、
刺激Aと関連づけられている他の刺激の機能も,両者の間の派生的な関係にもとづいて修正されることを示唆しでいる。刺激Aが特定の心理的機能を持つ場合に,刺激Aと刺激Bが等価な関係にあるという文脈では,刺激Bも類似した特定の心理的機能を獲得する。

および、
ひとたび派生的関係反応が学習されて示されると、刺激機能は、これらの反応を通じて、瞬時に変わり得る。弱化的だったものが強化的になることができ、その逆もまた可能となる。
という部分であるが、ここで刺激Aが無条件刺激であり、刺激Bが中性刺激であったとすると、刺激Aが有している無条件反応誘発機能を刺激Bも有するようになる可能性がある。これはまさにレスポンデント条件づけであり、刺激Bがレスポンデント反応を誘発するようになることは、条件刺激と条件反応の枠組みに形式上一致する。

 もっとも、レスポンデント条件づけでは、味覚嫌悪やインプリンティングなど特殊な場合を除けば、通常は、中性刺激と無条件刺激を繰り返し対呈示されることが必要となっている。パヴロフの犬の実験でも、音と餌を数回呈示した程度では、音が条件刺激になることはあり得ない。また、レスポンデント条件づけは通常、中性刺激と同時、もしくは直後に無条件刺激を呈示することが必要であって、無条件刺激の後に中性刺激を呈示しても(=逆行性条件づけ)、条件づけは殆ど困難であるか、もしくは全く逆の行動変容をもたらすことが知られている。これに対して、派生的関係反応における「等価」とか「刺激機能の変換」というのは、一般に双方向的であり(←だからこそ「相互的内包」と呼ばれる)、「かつ瞬時に変わりうる」とされている。この違いはどこにあるのか、言語行動だからそういうものだと言い切ってよいのか、検討する必要があるように思う。

 次回に続く。