じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 夕日に輝く文学部(写真上)と教育学部。いずれも太陽の光の反射によるものであるが、反射の方向が異なる。
  • 文学部:南側のガラス窓に、南西からの西日が「へ」の字形に反射。建物の南東側から撮影。
  • 教育学部:西側のガラス窓に、南西からあたった西日が「∧」の字形に反射。建物の北西側から撮影

2016年11月1日(火)



【思ったこと】
161101(火)2016年版「人はなぜ○○するか?」(17)長続きしない行動、行動の怠慢、開始困難な行動

 10月30日の続き。今回は、長続きしない行動、行動の怠慢、開始困難な行動について考えてみることにしたい。なお上記の各疑問の左側の「・」は疑問として挙げた人の数を表す。
  • ・・・人はなぜ怠けるのか(なぜサボるのか))
  • ・人はなぜドロップアウトするのか
  • ・人はなぜやる気に波があるのか
  • ・人はなぜ手に入れたモノに興味を失うのか
  • ・人はなぜ日記を続けられないのか
  • ・人はなぜ飽きっぽいのか
  • ・人はなぜ新しい物事を始められないのか
 行動分析学的にみれば、これらは、
  1. 当該行動がうまく強化されていない場合(好子の随伴の確率が小さすぎる、好子が小さすぎるなど)
  2. 当該行動が阻止の随伴性で強化されている場合(嫌子出現阻止、もしくは好子消失阻止の随伴性)
  3. 飽和化
  4. 疲労困憊
  5. 競合する行動(同時にできない行動)が強化されている
  6. 規則的な行動連鎖が形成されていない場合
といった原因によるものと考えられる。

 まず1.であるが、行動というのは、持続的に強化される仕組みがないとなかなか長続きしないものである。「人に勧められてこれは良いことだと納得して始めた」行動、あるいは「テレビの番組で紹介され、これはスゴイと思って始めた」行動などは、いずれも、ルール支配行動【Hayesら(1989)によるオーグメンティング(augmenting)機能を含む】だけで始めた行動であり、いったん始めたあとの強化の仕組みが用意されていないことが多い。

 2.は義務的な行動によって強化されている場合である。要するに行動を続けていれば現状が維持されるが、怠けると嫌子出現(罰)、もしくは好子消失(罰金、給与カット)が随伴する。しかし、常に監視されているわけでもないし、少しぐらい怠ってもそうした悪い結果が生じないのであれば、行動してもしなくても結果が変わらない(現状維持)ことになり、怠慢が発生する。

 3.の飽和化というのは要するに飽きである。単純作業であったり、飽和化が起こりやすい好子であった場合(特定の食べ物など)などが相当する。この場合は、時間が経過すれば(=遮断化)もとに戻る。

 4.の疲労困憊は過度に行動しすぎた場合に生じる生理的な状態であり、通常は休息すればもとに戻る。

 5.は、日常生活では起こりがちなことである。新しい行動を強化しようとしても、別の行動がより優勢な好子によって強化されていれば、物理的に同じ時間に2つのことはできないので、始めようと思っても始められない、あるいは長続きしないということになる。

 最後の6.であるが、日常生活の諸行動というのは、

 朝起きる→テレビのスイッチを入れる→パンを焼く→食べる→トイレに行く→歯を磨く→着替える

というように連鎖状に生起している。その場合、個々の行動が個別に強化されているのではなく、全体として1つの流れになっていることがある。この流れの中に新しい行動が組み込まれるまでには一定の時間を要する。

 次回に続く。