じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 文学部西の高砂百合。種が飛んで自然に殖えることも多いが、百合特有の害虫(ユリクビナガハムシなど)の被害で花芽が丸ごと食われてしまう場合もある。

2016年08月16日(火)



【思ったこと】
160816(火)トールネケ『関係フレーム理論(RFT)をまなぶ』(93)アナロジー、メタファー、そして自己の体験(29)「般化オペラント」についての復習(12)「関係づける」の意味(5)

 8月15日の続き。

Hayes, S. C., Barnes-Holmes, D., & Roche, B. (Eds.). (2001). Relational Frame Theory: A Post-Skinnerian account of human language and cognition. New York: Plenum Press

の26頁のところには、幼児に対する言語訓練の事例が挙げられている。モノの名前を学習するさい、教師(caregiver)は幼児の居るところで当該事物の名前を発声する。その幼児が対応するモノのあるほうを向くような何らかの反応を起こした時には強化する。これは、

Xという名前を耳にする→Yというモノを見る

という行動の強化として記述できる。同じようにして、教師はそのモノ(Y)を掴んだり指さしたりして、対応する名前Xを発声し、さらに幼児に、その発音を繰り返すように指示する。この後者の訓練は「Yを見てXという名前を発声する」という行動の強化として記述できる。こうした訓練は幼児期に何度も何度も、また広範囲の事物と名前に対して繰り返される。「名前を呼ぶ→モノ」と「モノ→名前を呼ぶ」はそれぞれ独立して強化される必要があるが、すでに述べてきたように、人間の場合は、「A→B」と「B→A」の相互的内包が生じるようになる。

 続いて27頁では、ハトを対象とした連続逆転学習の事例が紹介されている。弁別課題で正刺激(S+)と負刺激(S-)の逆転を繰り返すと、条件が交替するたびにすぐに正答を出せるようになるというものであり、以下の実験が引用されていた。

Vaughan, W. (1988). Formation of equivalence sets in pigeons. Journal of Experimental Psychology: Animal Behavior Processes, 14, 36-42.

 次回に続く。