じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 8月9日の岡山は最低気温25.0℃の熱帯夜、最高気温35.5℃の猛暑日となった。岡山県南部では、7月26日の8.0ミリ以降、0.5ミリ以上の降水を記録しておらず、高温と相俟って、花壇の植物に甚大な影響を及ぼしつつある。この日も夕刻に積乱雲が見えていたが、15時台に0.0ミリの「降水」を記録するにとどまった。

2016年08月09日(火)



【思ったこと】
160809(火)トールネケ『関係フレーム理論(RFT)をまなぶ』(89)アナロジー、メタファー、そして自己の体験(25)「般化オペラント」についての復習(8)「関係づける」の意味(1)

 昨日の続き。Skinner(1953)の引用に続いて、

Hayes, S. C., Barnes-Holmes, D., & Roche, B. (Eds.). (2001). Relational Frame Theory: A Post-Skinnerian account of human language and cognition. New York: Plenum Press

の25頁以降では、反応クラスを機能的に定義することによって、さまざまな関係反応に対する強化がうまく説明できることが強調されている。
Operant theory, with its reliance on functionally-defined response classes, has little difficulty with the transposition literature. Selecting the larger, or brighter, or rounder stimulus simply becomes a learned operant. Organisms learn to discriminate the relevant stimulus relation, as well as the formal dimension along which the relation is relevant, through multiple training trials in which the relata vary. If selecting only the larger of two stimulus objects is reinforced over a series of trials with varying objects, there is no reason to be surprised if an organism begins to respond to the relation between the stimuli rather than their absolute characteristics. The consequences have shaped just such a response class.
 なお、上掲の文章の中で「relata」という見慣れない言葉が出てくる。これについては脚注があり、
To avoid confusion, the Latin term relata will be used throughout the book to describe related events since the English term, relates, is obscure and has a much more dominant meaning as a verb. In some of our previous writings we have incorrectly used the term relatae, in the mistaken belief that the Latin word was feminine.
と述べられている。もっとも、私がざっと見た限りでは、「relata」は、この頁以外では一度も現れていない。また、一部の過去の論文で当該ラテン語の使用に誤りがあったと記されているが、どのような論文であるのかは確認できなかった。もっとも、単に、女性名詞かどうかというような文法上の問題であり、心理学としての議論の本質には影響を与えないものと思われる。

 なお、上記の「反応クラスを機能的に定義する」という引用であるが、前にも述べた通り、実験者(研究者)が機能的に定義した基準がそっくりそのまま行動を制御しているのかどうかについては、常に疑ってみる必要がある。

 例えば、種々の直方体の写真を見せて、「より大きい」ほうを選ぶように訓練したとする。実験協力者(もしくは被験動物)が連続して正答を出せるようになったとすれば、この関係反応への強化が成功したと結論されるであろう。しかし、実験協力者(もしくは被験動物)は、体積としての大きさではなく、直方体の背の高さを手がかりとして弁別していたのかもしれない。さらには、直方体の横幅が手がかりになっていた可能性もある。ピアジェの量の保存に関する実験などを見てもわかるように、そもそも、大きさ(体積)、高さ、幅、あるいは重さなどというのはアプリオリに備わった概念ではなく、種々の弁別学習を通じて徐々に身につけていくものである。何らかの機能的定義により弁別が成功したとしても、手続的定義と制御変数的定義の違いについては常に留意する必要がある【2014年6月16日の日記参照】。

 次回に続く。