じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 7月のウォーキング総括。2016年7月は、総歩数39万5176歩、1日あたり平均1万2748歩となり、基準の1万2000歩を上回った。今月は職員定期健診に備えて龍ノ口グリーンシャワーの森などで耐暑訓練を行ったことなどから比較的多い歩数を記録した。そのいっぽう、月末5日間は、朝からうだるような暑さとなり、植物園などを訪れる元気を失い、5日連続で1万2000歩を下回った。じっさいのところ、朝から30℃を超える炎天下の中を歩くことが健康にプラスになるのかどうかは定かではない。
※グラフはいつもの通り、毎日の歩数を少ない順に左から並べたもの。左端の落ち込みは、その月に何らかの事情で歩数が少なかった日があることを示す。右端はその月に最も多く歩いた日の歩数。グラフが12000のあたりで水平になっているほど、毎日の歩数がほぼ安定していたことを意味する。

2016年08月01日(月)



【思ったこと】
160801(月)トールネケ『関係フレーム理論(RFT)をまなぶ』(82)アナロジー、メタファー、そして自己の体験(18)自己の体験の3つの側面(1)

 昨日の続き。

 今回よりいよいよ、「自己の3つの側面」という核心的部分に入る。この節の冒頭では、
Not only do I see a rainbow and see my seeing a rainbow, I also see that I am the one seeing a rainbow; I see that I am seeing it from a specific perspective, and that a different perspective is possible. This takes place through relational framing as developed by our verbal training.
私には, 虹が見えて,私自身が虹を見ているところが見える,というだけでなく,私には,虹をを見ているのは私だということも見える。つまり,私には,私が虹を特定の視点から見ていること,そして,また別な視点も可能だということが認識できる。これは,私たちの言語訓練に従って発達した,関係フレームづけを通じて可能になる。
という、従来の行動分析学では想定していなかったような多様な視点が提示されている。

 続いていよいよ、自己の3つの側面の概要が、「視点としての自己(Self-as-Perspective) 」、「プロセスとしての自己(Self-as-Process)」、「物語としでの自己, あるいは概念化された自己(Self-as-Story, or the Conceptualized Self)」の順に論じられている。

 この3つの側面というときに「3つ」は、何が何でも3つでなければならないという主張を含むものではない。
This is not to say that these three cover all of the possibilities or that other aspects of self aren't valid or useful, but for behavior analytic purposes we need these three aspects.【原書107頁】
このことは,これら3つの側面によってすべての可能性を網羅すると言っているのでも,自己についてのほかの側面が妥当でないか役立たないと言っているのでもない。これは,行動分析的な目的のためにはこれら3つの側面が必要だ,ということを言っているのである。【翻訳書150頁】
と述べられているように、「3つ」は必要条件ではあるが十分条件ではないとされている。

 さて本書では、「3つ」の視点の1番目として「視点としての自己」が挙げられている。他の入門書などでは、この側面は、

THE TRANSCENDENT SELF(Self-as-context):「超越的自己」「文脈としての自己」「純粋なる気づき」

などと呼ばれることもあり、「3つ」の中では最も難解である。但し、本書ではその解説に先立って、視点取りや心の理論について詳述されているため、いちばん取っつきやすいとも言える。重要な点は、視点取りを般化オペラント行動と見なす点である。
Perspective taking is seen as a form of generalized operant behavior that involves having the child learn to relate stimuli from a certain perspective: I versus you, here versus there, and now versus then (Y. Barnes-Holmes, McHugh, & Barnes-Holmes, 2004). 【原書105頁】
視点取りは,般化オペラント行動の一形態で,子どもが刺激を特定の視点 ―わたし/あなた,今/あのとき,ここ/あそこ―から関係づけることを学ぶことに関連したもの,とみなされる。 【翻訳書147〜148頁】
 この考え方について、すでに言及している、

Barnes-Holmes, Y, McHugh, L., & Barnes-Holmes, D. (2004). Perspectivetaking and theory of mind: A relational frame account. Behavior Analyst Today, 5, 15-25.

という論文で詳述されており、論文タイトルを検索語にすることで無料で閲覧可能。

 次回に続く。