じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



07月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る

 昨日に続いて岡大・南北通りの環境整備状況。かつて岡大正門にあったモニュメントは今回の大規模整備工事に伴い、五十周年記念館東側に移設された。移設前は木の陰となりあまり目立たなかったが、こうして芝地に囲まれてみるとすぐれた芸術作品であることが分かる。

2016年07月19日(火)


【思ったこと】
160719(火)トールネケ『関係フレーム理論(RFT)をまなぶ』(72)アナロジー、メタファー、そして自己の体験(8)自己を経験すること−視点取りの結果(1)

 昨日の続き。

 原書101頁(翻訳書140頁)以降では、行動分析学における自己概念について論じられている。ちなみにこの話題は、私自身の最新の紀要論文でも取り上げたところである。

行動分析学における「自己」関連概念(1)スキナーの『科学と人間行動』および初期の著作.
【2016年7月19日現在、3校終了。まもなく、ネット上で公開の予定。】。

 この節では、
  • 「自己」という言葉が日常的な言語の中でも科学的な言語の中でもよく用いられている点
  • 科学的な概念としての定義は不十分である点
  • 行動療法では、「セルフコントロール」や「自己弁別」といった概念がしばしば用いられている点
  • スキナー自身は、著書の中で「自己」についてこの概念のために1つの章をまるごとあてていた点。
  • スキナー、人間が「自己」についてなぜ多く語るのかという、現象の背景に興味をいだいていた点。
などが指摘されていた。

 スキナーが論じたのは主として「私的出来事のタクト」であり、またそれをタクトすることがどのように強化されるのかという点にあった。「しかし,RFT に従うと,複雑な現象である「自己」が出現するためには,これだけではなく,さらに何かが必要である。」として、RFTによる新たな発展が強調されている。

 ではその「何か」とは何か? 次の節以降で強調されているのが、視点取り(視点取得、perspective taking)であった。
According to RFT, this ability to take a perspective through relational framing is what makes the human experience of self possible.
RFT によると,人間が持つ自己の体験を可能にするものは,関係フレームづけを通じて視点を取ることができるという,この能力である。


 視点取りと自己との関係については、数年前に以下の書籍が刊行されており、武藤先生から直々にご紹介していただいた。遅くても定年退職前までには、その内容についてコメントさせていただく予定である。

McHugh, Stewart, & Williams (Eds.) (2012). The Self and Perspective Taking: Contributions and Applications from Modern Behavioral Science. New Harbinger Publications.

 次回に続く。