じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



07月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る

 岡大・南北通りの大規模整備工事もそろそろ竣工間近となってきた。写真は、歩道上に出現したカッパ。ネットで検索したところこちらにまとめがあり、正式には「単管バリケード」と呼ばれていることが分かった。写真のカッパ型はセフティックという会社の製品であり、ネットで購入する場合は単価で3000円〜5000円程度であることが分かった。

2016年07月01日(金)


【思ったこと】
160701(金)「岡山現象」

 7月1日の夕食時にNHK フェイス「岡山現象」という番組をたまたま視た。

 番組によれば、安全を求めて、岡山に「避難」する人たちがいる。その数は2016年5月16日現在で1050人(復興庁公表分)にのぼり、西日本で最も多いという。その6割以上は首都圏からの「自主避難者」であり、社会学者の間では「岡山現象」と名づけられ研究の対象になっているとか。

 なぜ岡山が避難先に選ばれたのかということだが、まず一般的な理由として、
  • 地震・災害リスクが少ない
  • 原発との距離【が離れている】
  • 東京までのアクセスの良さ
が挙げられているという。しかし、番組では、これ以外の理由・背景・事情があると指摘されていた。

 1つの理由は、放射能汚染への恐怖である。関東一円には放射線量の多いホットスポットがあり、住居地、近隣のキャンプ地などでは高放射線量が測定されているという。お子さんの甲状腺検診を受けると「のう胞」が見つかり、がんなどの深刻な事態に進行するものではないとされているものの、全く偶然であるのか、汚染の影響によるものかは分からないということであった。

 いっぽう、過疎化がすすみ「消滅可能性都市」となっている岡山の自治体の中には、こうした不安を抱えている人たちを積極的に受け入れる体制を整えているところがある。番組では和気町の取り組みが紹介されていた。

 「岡山現象」については今年の春にもローカル放送で取り上げられたことがある。リンク先の折れ線グラフによれば、愛知、福岡、広島での震災避難者数は震災の6カ月後以降ではほぼ横ばい〜漸減となっているのに対して、岡山だけは逆に急増し、震災6カ月後の502人から2016年2月の1090人に倍増しているということであった。避難者の人数は、基準によっても大きく変わるとは思われるが、今回の番組では、一時的な避難ではなく、岡山への永住ということに焦点があてられていた。

 そう言えば私自身も、東京で生まれ育ったあと、京都、愛知、長崎などを転々としてから岡山に引っ越してきているので「岡山への移住者」の一人になるのかもしれない。もっとも私の場合、地震や放射能汚染のリスクを考えて移り住んだわけではない。但し、言われてみれば、確かに岡山は、自然災害が少ないという点では全国有数の安全地帯であるとは思う。

 同じ7月1日には「中国地方の活断層、地震発生率は30年以内に50%」というショッキングなニュースも流れていたが、よく読んでみると、「鳥取県や島根県など「北部区域」は40%、山口県など「西部区域」は14%から20%、岡山県など「東部区域」は2%から3%としています。」となっていて、岡山地域に限って言えば、その確率はきわめて低いとも言える。また実際、岡山県内の活断層は、北東エリア(那岐山断層帯、山崎断層帯など)と西端(長者ヶ原-芳井断層)の一部に限られており、こちらによると、岡山市で最大震度6強となる恐れがあるものの、今後30年以内の発生確率は0.1%未満となっていてきわめて小さい。

 また、南海トラフ地震による津波の被害は、最大で2.6mに達すると予想されているものの、想定地域は南部の瀬戸内海沿岸に限られており、しかも津波の第一波が到達するまでの時間は、津波発生から約2時間50分前後と予想されているため、ゆとりをもって避難することが可能である。

 岡山地方で若干気になるのはPM2.5が滞留しやすいという点であるが、これも、九州方面に比べればかなり少なめと言える。

 元の話題に戻るが、放射能汚染のリスクについては一部の人たちが主張しているほどには深刻ではないようにも思う。とはいえ、実際に不安を感じている人たちがいる以上、その選択肢の1つとしては岡山県内への移住もアリではないかと思う。「消滅可能性都市」の人口対策というだけでなく、若い人たちへの雇用対策も整備していく必要がある。当初の計画が見直し・凍結されているという吉備高原都市なども、これを機会に、岡山への移住のニーズを反映した形で再整備をはかってもよいのではないかと思う。