じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 6月3日、北海道七飯町の山林で行方不明になっていた7歳の男の子が、隣の鹿部町で6日ぶりに見つかり、無事、保護されたというニュースが報じられた(↓に関連記事あり)。このことで北海道・駒ヶ岳の山頂付近で私自身、道に迷ったことを思い出した。当時は、火山活動が活発化する前であり、特段の登山規制はなく、大沼公園ユースホステルで自転車を借りて山腹に駐輪し、そこから登山。登山回数は2回のみであったが、そのうち1回目は山頂付近で濃い霧が発生しており、登山道から少しでも外れると非常に危険な状況にあった。写真は、2回目の好天時、道に迷った場所付近を撮影したもの。以下、1997年12月27日の日記からの転載。
東京に生まれの私は、本物の「霧」というものを見ずに育った。いまあまり使われなくなった「スモッグ」しか縁がなかったのである。小さい頃呼んだトッパンの絵本「青い鳥」で、チルチルとミチルが、最初に死んだおじいさん、おばあさん、兄弟の家を訪ねる場面がある。その家は深い霧に包まれていて、二人はそれが晴れるのをしばらく待っていた。これが霧にあこがれるようになったきっかけであり、以来、一度でよいから本物の霧を見たいものだと思っていた。
 しかしその後、山登りをするようになってからは、霧(ガス)はむしろ嫌なものになってきた。いくら苦労して登っても頂上が霧に包まれていたのではせっかくの眺めが台無しになるからだ。いちばん怖い思いをしたのは、北海道の駒ヶ岳に単独登山した時のことであった。この山の山頂部は、名前の通り馬の背中のようになっていて、晴れていれば問題ないが、1回目の登山の時は深い霧に包まれていた。登山道からちょっと外れた岩影で弁当を食べた後のことである。さて登山道に戻ろうとしたが、どっちの方角だったかまったく見当がつかない。行き当たりばったりに歩いているうちに、完全に道に迷い、危うく遭難しかけたことがあった。

2016年06月3日(金)


【思ったこと】
160603(金)北海道・七飯町の男児行方不明事件

 各種報道によれば、北海道七飯町の駒ヶ岳山麓の山林で行方不明になっていた小学2年生(7歳)の男児が、隣の鹿部町にある自衛隊の駒ヶ岳演習場内の休憩施設で6日ぶりに発見され、無事保護された。この男児5月28日、「しつけのため」として両親に置き去りにされたあと行方が分からなった。男児はその後、自分で道路を下ってその日のうちに休憩施設にたどり着き、小屋内のマットレスの間で寝て夜を過ごし、施設外の水道の水を飲んで過ごしていたという。

 この「事件」は海外のメディアでも注目されており、一部では、
  • 「男の子が保護され、今後は『しつけ』の在り方が問われることになるだろう」【イギリスBBC】
  • 「日本の文化として、子どもの個人の権利を尊重するより、子どもは家族の所有物だという認識が強い」と指摘し、これが児童虐待や育児放棄につながっている」【アメリカAP通信】
といった見方も示されているという【NHKオンライン6月3日12時20分発信】。

 今回のケースでは今のところ虐待の事実は無く、当該男児が公園で人や車に石を投げていたことへの「しつけ」として置き去りにしたと報じられている。もっとも、これまでの両親等の証言には、当初の「山菜採りではぐれた」といった虚偽もあり、今後の解明が待たれるところである。

 仮に躾が目的であったとしても、こういうやり方で効果があるのかどうかははなはだ疑問である。日本行動分析学会「体罰」に反対する声明でも示されているように、体罰はまさに「百害あって一利なし」の間違った躾けのやり方であるが、残念ながら、まだまだ、この非科学的手段が有効であると信じている人たちがいる。

 今回のもう1つの疑問は、連日、大規模な捜索が行われたのにもかかわらず、なぜ、早期に発見できなかったのかということだ。ニュースでは、山林や沼地をくまなく捜査している人たちの映像が伝えられていたが、通常、置き去りにされた人は、大人であれ子どもであれ、わざわざ茂みの中に迷い込んでいくようなことはしない。ふつうは、歩きやすい道路を通って、最初に目に入った建物で助けを求めようとするだろう。捜査範囲が最終的に15キロ四方に広げられていたという中で、直線距離で6キロ離れた演習場が捜査対象から除外されていたという点は、何らかの思い込みが働いたためと思わざるを得ない。

 なお、男児が発見された休憩施設は「たまたま」ドアのカギが【破損して】あいており、また、当日、「たまたま」雨が降っていたため隊員が利用したということで、もし雨が降っていなかったら発見はさらに遅れていたかもしれないという指摘もあった。

 何はともあれ、軽い脱水症状程度で無事に保護されたという点はめでたいニュースであったが、今後、類似の事件を起こさないために、また、早期発見のための捜索のあり方のために、様々な検証を行う必要があるように思う。