じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 大学構内・芝地で繁殖するチチコグサ・ハハコグサの仲間。雑草図鑑などにはハハコグサの仲間としては「ハハコグサ」と「セイタカハハコグサ」があるが、岡大近辺では「ハハコグサ」のみが見られるようだ。いっぽう、チチコグサの仲間としては「チチコグサモドキ」、「ウラジロチチコグサ」、「タチチチコグサ」、「ウスベニチチコグサ」などが紹介されているが、見極めは難しい。写真Dにあるように少なくとも2種類のチチコグサが混在している。
  • A:5月20日撮影。葉が白っぽいので「ウラジロチチコグサ」の可能性大。背は低い。
  • B:ハハコグサ
  • C:写真Aのチチコグサその後。
  • D:写真Aとは別の背の高いチチコグサ。

2016年05月26日(木)


【思ったこと】
160526(木)トールネケ『関係フレーム理論(RFT)をまなぶ』(31)派生的関係反応(2)シドマンの研究と用語上の区別

 5月25日の日記で取り上げた刺激等価性クラスの一連の研究はシドマン(Murray Sidman)らが行ったものであった。シドマンはもともと、「シドマン型回避条件づけ(Sidman Avoidance)」という名が冠せられているように、回避条件づけのパイオニアとして知られていた。また、

Sidman, M. (1960). Tactics of scientific research: Evaluating experimental data in psychology. New York, NY: Basic Books.

という著書は、行動分析学の研究の基本的な方略を述べた指南書として、当時の学界に大きな影響を与えた。リンク先の英文ウィキペディアでは
His 1960 text, Tactics of Scientific Research, is considered the first primer on within- subject research methodology. It is a classic that is still used today.
というように紹介されている(「a brief biographical sketch from the 2004 CALABA program」からの引用)。日本での大会で、私のポスター発表のところに来られた時に、上記の1960年の御著書を拝読して感銘を受けたと挨拶させていただいたことがあった。

 少々脱線したが、刺激等価性クラスを論じた著書としては、

Sidman M. (1994) Equivalence relations and behavior: A research story Boston.

があるようだが、私の手元にはない。

 本人による分かりやすい解説としては、

Equivalence Relations and Behavior: An Introductory Tutorial.【Anal Verbal Behav. 2009 Dec; 25(1): 5-17. 】

があり、無料で閲覧できる。

このほか、
  • Sidman, M. (1971). Reading and auditory-visual equivalences. Journal of Speech and Hearing Research, 14, 5-13.
  • Sidman, M. (1990). Equivalence relations; Where do they come from? In D. E. Blackman & H Lereune (Eds.), Behavior analysis in theory and practice: Contributions and controversies. Hillsdale, N.J.: Erlbaum. Pp.93-114.
  • Sidman, M., & Tailby, W. (1982). Conditional discrimination vs. matching to sample: an expansion of the testing paradigm. Jounal of the Experimental Analysis of Behavior, 37, 5?22.
といった初期の文献は比較的簡単に入手できる。

 なおシドマンの一連の研究と、関係フレーム理論では、異なる用語が用いられている点に留意しておく必要がある。原書63頁(翻訳書88頁)の原注には
The terms "mutual entailment" and "combinatorial mutual entailment for the phenomena described are used here as in the theory described in this book: relational frame theory (RFT). However, other terms for these phenomena can be found in the literature. Sidman uses the term "symmetry" for the former and "transitivity" for the latter. The term "stimulus equivalence" is often used for the phenomenon as a whole.
ここで解説している現象を指して使われる「相互的内包(mutual entailment)」と「複合的相互的内包(combinatorial mutual entailment)」という用語は,本書で説明される関係フレーム理論(RFT) の中で用いられている。しかし,文献の中には,これらの現象を指す別な用語も見つけることができる。Sidmanは,前者に対しては「対称律」を,後者に対しては「推移律」を用いている。また,「刺激等価性」という用語が,これらの現象全体に対してよく用いられる。
という断り書きがある。

 次回に続く。