じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 文学部中庭の花壇は、冬の間は一日中、南側の建物の影になってしまうが、立春をすぎて、花壇の北半分に日が射し込むようになった。植物の生育が早まると期待される。

2016年02月7日(日)


【思ったこと】
160207(日)高梨沙羅選手のスポンサー

 昨日の日記で高梨沙羅選手のワールドカップ9連勝【その後10連勝】の話題を取り上げた。あれだけ優勝すると獲得賞金も莫大な額になるのではないかと思われるが、こちらの情報によると、2014−2015年シーズンの獲得賞金は「28890スイスフラン(約348万円)」、ワールドカップで1回優勝するごとの賞金は3000スイスフラン(1スイスフラン117円換算で約35万円)に過ぎないとのことである。これでは往復の航空運賃とホテル代にしかならない。

 もっとも、企業スポンサーから支払われる広告収入のほうはかなりの額になっており、週刊誌の情報によると年間「4000万〜5000万円」にのぼるという。

 このことでふと思ったが、高梨選手が表彰台に上がる時に目につくのが、スキー板に貼られた「エイブル」のステッカーと、帽子の正面に書かれた「バスクリン」の文字である。いずれも、緑色の背景に白抜きのカタカナで書かれている。NHKのオンラインニュースでもデカデカと写っているくらいであるから、このところの連戦連勝でその宣伝効果は抜群であると言えよう。

 このうちエイブルとのスポンサー契約についてはこちら。バスクリンとは全日本スキー連盟とオフィシャルパートナー契約を結んだという記事が見つかったが、契約期間は2014年9月末までとなっていて、その後の契約内容については確認できなかった。

 いずれも、いろいろな経緯があった後にスポンサー契約が結ばれたものとは思うが、世界のトップに君臨する高梨選手が表彰台に上るときにエイブルとバスクリンの宣伝をするというのは少々勿体ない気がする。

 まず第一に、カタカナで書かれた文字では、日本人以外は文字を読むことができず、宣伝効果が全く無いということ。せっかくの国際舞台で、日本人しか分からないというのはまことにもったいない。

 第二に、仮に英文字で宣伝したとしても、外国人がエイブルやバスクリンを利用することは殆ど無かろうという点が挙げられる。エイブルというのは私が知る限りは、賃貸専門の不動産会社であり、日本国内でアパートでも借りない限り、世界各地のワールドカップ視聴者にとっては全く無縁と思われる。また、入浴剤でお馴染みのバスクリンにしても、日本人と同じように浴槽にお湯をためて入浴剤で楽しむという習慣を持たない外国人たちにとっては宣伝する意味はないように思われる。

 第三に、日本人向けの宣伝効果を考えたとしても、そもそもエイブルのような企業のご厄介になるのは、賃貸物件を探している人たちだけで視聴者全体から見ればごくわずか、持ち家に暮らしている人たちにとっては無意味な宣伝ではないかという気がする。それと、賃貸物件というのは、あくまで物件そのものの魅力や家賃などが重要なのであって、信頼できる仲介業者であれば特に会社を選ぶことは無かろうと思う。

 バスクリンについても同様。我が家では今たまたまバスクリンの入浴剤を使っているが、これは単に、半額処分品として売られていたから買ってみたまでで、高梨選手の宣伝に影響されたというわけではない。少なくとも我が家で入浴剤を買う場合は、内容、効果、値段を比較した上で買う。

 ということで、せっかくの国際舞台で宣伝効果を狙うのであれば、外国人を含めて影響を及ぼしうるようなグローバルな商品、あるいはスポーツ用品、航空会社などの宣伝を優先したほうがよいという気がする。