じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 10月16日の早朝05時10分頃の東空。デジカメの設定をいろいろ試してみた結果、手ぶれ防止夜景モードで、やっとのこと、火星や水星を写し込むことができた。なお、水星は10月16日12時に西方最大離角(マイナス0.5等、離角18.1°)となる。また、火星と木星は10月17日22時48分に0°25′まで接近する。

2015年10月15日(木)


【思ったこと】
151015(木)『嫌われる勇気』(59)ごく一部だけから全体を評価しようとする誤り

 昨日の続き。今回は、247頁のあたりに記されている、

●どうでもいいはずのごく一部だけに焦点を当てて、そこから世界全体を評価しようという誤ったライフスタイル

について考えを述べることにしたい。この話題は、対人関係がうまくいかない原因に関して述べられたものである。10人の聴衆のうちのたった1人に小馬鹿にされたことをもって、「みんなわたしを笑っている」と誇大かつ一面的に解釈して誤ったライフスタイルを構築してしまうような問題を論じたものである。同様に、「みんな自分を嫌っている」とか「いつも自分だけが損をする」というように、「みんな」「いつも」「すべて」を多用する傾向が問題視されている【245頁】。

 こうした傾向は、差別や偏見、血液型ステレオタイプなど幅広く見られる。海外旅行先でたまたま不愉快な体験をすると、その国の人がみんな悪いといった偏見をもったりする。異なる民族や宗派のあいだの争いも、こうした偏見によって憎悪が助長されていく。

 アドラー心理学では、こうした生き方は、「人生の調和」を欠いた生き方であると見なされているということであるが【246頁】、この指摘については私も大いに賛成である。行動分析学や関係フレーム理論から言えば、「みんな」「いつも」「すべて」を多用する傾向は、過度の刺激般化と派生的関係学習に起因しており、誰しも放っておけば自然に身についてしまう可能性がある。クリティカルシンキングに基づいて是正していく必要があると言えるだろう。

 本書ではさらに、
10人の人がいるとしたら、そのうち1人はどんなことがあってもあなたを批判する。あなたを嫌ってくるし、こちらもその人のことを好きになれない。そして10人のうち2人は、互いにすべてを受け入れ合える親友になれる。残りの7人は、どちらでもない人々だ。」
というユダヤ人の教えを引用し、あなたを嫌う1人に注目するのか、あなたが大好きな2人にフォーカスをあてるのか、あるいはその他大勢である7人に注目するのか、と提起している。

 もっとも、私自身は、もともと、(家族は別として)他人とは一定の距離を置いて接することにしているので、好きな人も嫌いな人もいない。仮に嫌いな人がいたとしても、接触する機会が全く無いので、存在していないことと同じ意味になる。問題は、上掲の「その他大勢である7人」、というか、私にとっては「その他大勢である10人全員」とどういう接し方をするのかが今後の課題となっている。現状では全く問題ないが、自分が要介護状態になった時は、好むと好まざるにかかわらず、他者からのサポートを受けざるを得ないからである。

 不定期ながら次回に続く。